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【有馬記念予想】好成績の3歳馬、今年は?

  • 2020年12月22日(火) 12時00分

3歳馬は一定の水準以上の馬しか出てこない


 過去10年の有馬記念、6歳以上で連対した馬はおらず、一方で3歳馬は[5-2-3-16]とよく走っている。勝率・複勝率ともに4、5歳馬よりだいぶ高い。

 これにはひとつ背景があって、4、5歳馬は収得賞金を積むための時間が長く与えられており、結果としてGI勝ち負けレベルでなくとも出走してくることがある。「さすがに有馬記念は無理だよ」という馬もいるぶん、勝率・複勝率は伸びない。一方で3歳馬は一定の水準以上の馬しか出てこないので、単純にグループどうしを比較したときに有利な面がある。

 ただ、単勝20倍未満(過去10年の勝ち馬はすべてこの範囲から出ている)に限定しても、3歳馬の勝率・複勝率は4、5歳馬より高い。こうなると、3歳馬に与えられる2キロのアローワンスが効きすぎているということも考えられる。

 問題は、今年の3歳馬にGI好走歴がないことだ。オーソリティはGIIを2勝しているがGIはホープフルS(5着)しか出ていない。バビットは菊花賞で10着だった。

 過去20年まで遡って3歳有馬記念3着以内馬を探すと17頭いるが、うち12頭はそれまでにGI勝ちがあり、3頭はGIでの2着があった。GI好走歴が無かったのはブラストワンピースとトゥザグローリーだけである。

 オーソリティが三冠レースに、バビットが皐月賞やダービーに出ていたら連対の可能性があったか、今年は圧倒的な三冠馬がいたので少し妥協して3着くらいはあったと思えるか、その判断が今年の3歳馬を買うかどうかを決めることになるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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