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【大阪杯】1番人気は4連敗中 どこに焦点を当てるのか難しいレース

  • 2023年04月01日(土) 12時00分

近年目立つ牝馬の活躍


 主力に推したい馬が何頭かいて、どこに焦点を当てるかむずかしい大阪杯になった。GIに昇格した2017年以降の6回を振り返ってみると、最初の2回はともかくも、それ以外は波乱になっていて、中でも昨年のエフフォーリアの大敗にはびっくりしてしまった。前年の年度代表馬で単勝1.5倍は当然と言えたが、あの9着の敗戦をどう捉えたらいいのか、考えさせられた。それまで唯一の敗戦がダービーのハナ差の2着だけというのに、これはどう言うことか。

 レース後の関係者の言葉を総合して得た結論はこうだった。まず、エフフォーリアの関西でのレースが初めてだったことで、遠征による稽古のスケジュール変更が、それまでの状況と大きく変わっていたことがあげられる。それに、レース直前に降り出した雨が、ナーバスになっていた馬に影響し、ゲートがうるさくなっていたこと、それにより道中はピリッとしたところが見られなかったなど、考えられた。有馬記念優勝以来レースから遠ざかっていたことも考え合わせると、想像はできる。

 それと、ここまで関東馬の勝利が一度もないことも気にしてみたい。阪神の内回りの2000米、キャリアの中に、このコースでの実績も大きな要素と言える。サウジ、ドバイ、香港の国際レースに挟まれていて絶対王者がいない中、1番人気が4連敗中だが、それよりも1〜3着を占めている馬の年齢が、4歳馬、5歳馬に集中している点に注目したい。過去6年、一度だけ6歳馬が2着に入ったことがあるだけなのだ。

 そしてこの3年、目立つのが牝馬の活躍で、2勝2着2回を数えている。これらを総合して、今年の大阪杯は考えてみたい。

 そこでまず、5歳牝馬のジェラルディーナを。あのソダシと同期だが、こちらは初勝利に3戦を要し、3歳になって小倉、阪神で条件戦を3連勝し、本格化したのが4歳の秋。阪神2200米のエリザベス女王杯で牝馬の頂点に立ち、有馬記念では牡馬相手に後方から末脚を伸ばして3着に来ていた。名牝ジェンティルドンナの子で、父が年月を経て強くなっていくモーリスと、早くから注目されていた牝馬が頭角をあらわしてきた。折り合いの心配がなくなったのも心強い。

 4歳牝馬スターズオンアースの復活も期待できる。昨年の二冠牝馬で、秋華賞の3着はスタートで大きく遅れ、直線入口でもごちゃつく中にいたからで、最速の上がり3ハロン33秒5は大きな武器と言える。故障から立ち直った姿に期待したい。

 牡馬陣では、5歳からジャックドールを。モーリス産駒で、昨年は金鯱賞を好タイムで逃げ切って大阪杯は5着だったが、もう一段上の戦い方が期待できる。4歳馬では、やはりモーリス産駒からラーグルフを。年明けからの快走ぶりは見逃せない。皐月賞8着以来のGI挑戦だが、2000米は4勝もしている。これに中山記念で先着したヒシイグアスは昨年4着から入着ならある。

「満開の 桜ふぶいて 頂上へ」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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