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【オークス予想】桜花賞を上がり最速で勝った馬は

  • 2023年05月16日(火) 12時00分

不安材料が見つからない?


 先週の本欄では1番人気だったスターズオンアースの不安材料を指摘し、結果は3着と、馬券に絡んだが同馬にかかる期待にまでは達しない結果となった。

 では今週はリバティアイランドの不安材料を……と思ったのだが、そんなデータがなかなか見つからない。むしろ本命党が信じたいであろうデータが見つかってくる。

 リバティアイランドが極端な距離不安を抱えていない限り、今回も上がり最速を取ってくると予想するファンは多いことだろう。

 東京改修が終わった2003年以降、オークスで上がり最速を取った25頭の成績は[12-4-5-4]。これだけを見ると勝ち切れていないように見えるが、上がり最速には「全体に上がりの差がつかず、後方にいたというだけの馬が無意味な上がり最速を繰り出す」というケースもある。

 オークスで1番人気だったケースは[7-1-0-0]、8番人気以内だった馬は[11-4-4-0]で、馬券外になった馬はいない。これまでファンにある程度評価されてきた馬が「無意味な上がり最速」を取ることはまず無いということになる。

 桜花賞組とそれ以外で分けると、桜花賞組は[10-2-3-1]で、着外は桜花賞12着・オークス11番人気だったオディールだけ。桜花賞馬に「上がり最速でも差し遅れ」的なシナリオを期待するのは難しい。

 となると、穴党はリバティアイランドが上がり最速を取れないシナリオに賭けるしかないが、それも難しい。阪神に外回りコースができて以降、桜花賞を上がり最速で勝った馬は昨年までに6頭いる。オークスに出走できなかったジュエラーを除く5頭はすべてオークスでも上がり最速を取っており、ハープスターが2着だった以外はオークスも勝っている。

 これでもまだ同馬を疑うとしたら、「実は2400mに向かず」という可能性に賭けることになる。逆に言うと、そのシナリオに頼らないならリバティアイランドを認めたうえでヒモ選びを頑張るしかない、ということになるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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