マイネルファルケの2つめのポイントは「ショック」だ。
前走の
富士Sは逃げていなかった。2走前の
準OPは逃げきり勝ち。基本的に彼は逃げ馬で、これまでに挙げた全5勝は逃げてのもの。で、今回は逃げ馬が他にいない上に、逃げ宣言をしているので、逃げることは確実。
前走逃げなかった逃げ馬のことを、Mでは「逃げられなかった逃げ馬」と呼び、高く評価される。
逃げ馬が逃げないでレースをするということは、前に馬がいるということだ。逃げ馬にとって、前に馬がいることは精神的な負担以外の何者でもない。つまり「辛い思い」である。
前走、辛かった馬が、次走で楽だったら、馬は喜んで走る。「前走は前に馬がいて嫌だったけど、今回は前に馬がいない。気持ち良いなぁ〜」と、スイスイ走るのだ。
このように前走の辛い経験から、今回楽な経験をさせるのがMでいう「ショック療法」の基本だ。
したがって、逃げ馬なら、前走逃げられなかった逃げ馬が、次走で逃げたときに最大の喜びを獲られ、パフォーマンスが上がる。前走逃げていた逃げ馬より、全然、走る喜びが違うのだ。
なお、このように前走逃げなかった馬が逃げたり、逆に前走先行した差し馬が差したりすることを、Mではショック療法の中でも「位置取りショック」と呼んでいる。
マイネルファルケが前走の
富士Sで、仮に得意の逃げで連対していたら、ストレスは溜まるし、人気になるし、位置取りショックは掛からないしで、三重苦になっていた。もちろん、
マイルCSでは穴人気になって惨敗していただろう。同じ馬でも、ローテーションと前走の位置取りによって、今回の結果は全く真逆なものになるのだ。
このように、凡走することによって評価が上がることの多いのがMの面白さの1つであり、論理的に穴馬券が1,2点で当たられることの源泉にもなっている。
次はタイプについて考えてみたい。
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