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Mの基本概念 「ショック」

  • 2009年12月23日(水) 18時00分
 マイネルファルケの2つめのポイントは「ショック」だ。

 前走の富士Sは逃げていなかった。2走前の準OPは逃げきり勝ち。基本的に彼は逃げ馬で、これまでに挙げた全5勝は逃げてのもの。で、今回は逃げ馬が他にいない上に、逃げ宣言をしているので、逃げることは確実。

 前走逃げなかった逃げ馬のことを、Mでは「逃げられなかった逃げ馬」と呼び、高く評価される。

 逃げ馬が逃げないでレースをするということは、前に馬がいるということだ。逃げ馬にとって、前に馬がいることは精神的な負担以外の何者でもない。つまり「辛い思い」である。

 前走、辛かった馬が、次走で楽だったら、馬は喜んで走る。「前走は前に馬がいて嫌だったけど、今回は前に馬がいない。気持ち良いなぁ〜」と、スイスイ走るのだ。

 このように前走の辛い経験から、今回楽な経験をさせるのがMでいう「ショック療法」の基本だ。

 したがって、逃げ馬なら、前走逃げられなかった逃げ馬が、次走で逃げたときに最大の喜びを獲られ、パフォーマンスが上がる。前走逃げていた逃げ馬より、全然、走る喜びが違うのだ。

 なお、このように前走逃げなかった馬が逃げたり、逆に前走先行した差し馬が差したりすることを、Mではショック療法の中でも「位置取りショック」と呼んでいる。

 マイネルファルケが前走の富士Sで、仮に得意の逃げで連対していたら、ストレスは溜まるし、人気になるし、位置取りショックは掛からないしで、三重苦になっていた。もちろん、マイルCSでは穴人気になって惨敗していただろう。同じ馬でも、ローテーションと前走の位置取りによって、今回の結果は全く真逆なものになるのだ。

 このように、凡走することによって評価が上がることの多いのがMの面白さの1つであり、論理的に穴馬券が1,2点で当たられることの源泉にもなっている。

 次はタイプについて考えてみたい。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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