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2歳馬 チチカステナンゴ産駒分析

  • 2013年12月04日(水) 18時00分


◆昨年よりややしっかりした馬が多い今年デビューのチチカステナンゴ産駒

 引き続いて、気になる2歳馬を、先週の結果からM的血統論を中心に分析していきたいと思う。

 土曜には葉牡丹賞(中山芝2000m)が行われたが、このレースのカギを握ったのは、チチカステナンゴだった。まだチチカステナンゴについては辞典で簡単に解説した以外、詳しい話をしていなかったように思うので、せっかくなのでその特徴を中心に、今週は見ていきたい。

 勝ったのは3番人気キングズオブザサン。他の6着以内の馬は全て3角7番手以降の差し馬が独占する競馬を、先行から押し切るという強い内容だった。

 私はこの馬を本命に予想していたのだが、それはバウンド延長というステップと、父がチチカステナンゴだったからだ。

 チチカステナンゴについては、昨年の種牡馬辞典でC系の血統構成だという話をした。

 ただ全体的に緩い産駒が多く、初年度産駒は使い詰めていくと疲れが出るパターンも多かった。またスピードの乗りが悪く、短縮の適性もいまいちだった。

 今回はバウンド延長なので、そういう鈍重さからは解放される。しかも、前走は軽い京都の外回り1800mだった。そこで4着はむしろよく走った方で、延長で体力的にタフな中山の2000mへ向かうショックというのは、絶好の狙い目である。

 加えて内枠というのも良い。紫苑Sでリボントリコロールを狙ったときと同じ、中山の内枠である。C要素のある血統だけに、内枠というのは、馬群に入れることで集中力を活かせるのでプラスだ。

 しかも、中山。リボントリコロールは前走新潟から中山だった。今回のキングズオブザサンは京都から中山。軽い競馬場から、急坂があって重い競馬場という流れは同じである。

 基本、チチカステナンゴは、体力が活きる条件で、かつ内枠など集中できるパターンがベストな種牡馬という判断で良いだろう。

 レースは前半34.8−後半36.3という、先行馬に酷なハイペースになったが、むしろ体力のあるキングズオブザサンには、先行馬であってもハイペースは有利なのだ。

 唯一頭、先行馬として6着以内に好走したのは凄いことに思えるが、実はデータで見るほど凄いことでもないというわけである。

 逆にスローの前残り競馬になっていた方が、果たして勝てていたかというと、ちょっと疑問である。

 なお、今年デビューのチチカステナンゴ産駒は、昨年よりややしっかりした馬が多い。まだ早い段階なので何とも言えないが、昨年より質が上がってくるかもしれないので、少し注意しておいた方が良いだろう。

 2着には追い込みのディアデルレイが入線。キングカメハメハ産駒だった。

 同馬は新馬勝ち直後からの格上げ戦。いつも書くように鮮度が高いと馬群を割れるのがキングカメハメハ産駒の特徴なので、相手の1頭に指名して、馬単62倍を3点目で当てることが出来た。

 1、2着馬ともに、母父はサンデーサイレンス。

 体力勝負になって、血統辞典に書いてあるように、母父としては比較的体力供給率の高いサンデーサイレンスには有利に流れたという構造である。

 3着には1番人気ウインフェニックス。スズカフェニックス産駒で、スズカフェニックスは短距離馬だったが、案外産駒は体力が豊富なタイプが多い。母父のアグネスデジタルも体力があるので、体力寄りの配合だが、中山2000mのハイペースで中団から自力勝負に出ると、ややスタミナ負けという内容だった。もちろんストレスもあったが、1800mがベターではあるだろう。

 ただ、体力型で捲る機動力があり、小回りの弱い相手は競馬がしやすいタイプということで、対抗に予想していた。

 結果予想で上位に挙げた馬で決まって、3連複22倍は2点目、3連単221倍は7点目での的中ということになった。

 2番人気ロジテーストは7着。

 ダイワメジャー産駒だった。東京のスローから、ハイペースの中山で延長2000mというのは、ややダイワメジャー産駒には、スタミナ的に酷だった。

 しかも、前走同様後方でじっとしていれば良かったが、捲り気味に勝ちに動いたので、余計にタフな流れがスタミナ面で響く形になってしまったのである。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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