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Mの基本概念 「M3タイプ」

  • 2009年12月30日(水) 15時00分
 今週は携帯の前日予想で土曜に770倍、日曜には970倍を、ともに1点目で当てた。このように1点目でも高配当が当てられるのがMの良さの1つだ。この2レースの予想ポイントは今度書くとして、取り敢えず先週までみてきた、やはり200倍を1点目で当てたマイルCSの続きをやっていこう。

 鮮度というのなら、カンパニーはどうなんだ?という議論が出てくるだろう。大穴のマイネルファルケ を鮮度で買ったというのなら、カンパニーは真逆で買えないじゃないか。彼はGIを10回以上走っていて、前走も天皇賞で1着だ。直近ストレスもあれば、生涯ストレスもあるじゃないか、というわけだ。

 もちろん、普通の馬ではストレスで凡走する。が、同馬には3つのポイントがあった。

 まずはMの基本ショックの1つ、「バウンド短縮」。もともと馬は前走より距離が短くなる短縮ショックを好む傾向にある。その中でも、このバウンド短縮は有効な手段だ。

 バウンド短縮とは、2走前に短い距離で距離に慣らし、前走で長い距離を走らせて、今回短い距離に短縮させるという方法になる。2走前に短い距離を走らせるので、今回の短縮で一番マイナスになりやすい、距離短縮で揉まれることや、スピードの違いに戸惑うという心配が軽減する。これにより、「前走より我慢の時間が短く済む」という、短縮の心身に対するプラス面だけが強調されるわけだ。彼も1800m→2000m→1600mという、この「バウンド短縮」だったのだ。

 また短縮にはメンバーチェンジというプラス面もある。今回の場合なら、天皇賞という中長距離メンバーから、マイル路線のメンバーにメンバーが変わる。同じメンバーと対戦するというのも、ストレスを溜める大きな要因になるので、路線変更は有利に働きやすい。

 この春の安田記念は4着に凡走。このときは、前走が同じマイルのマイラーズCで2着。短縮も掛からなければ、メンバーチェンジの恩恵もなかった。サラブレッドは慣れるより、飽きることの方が強い生き物なのだというのが、Mの法則の根幹にあるので、覚えておいて頂きたい。

 次は彼のM3タイプ。M3タイプとは、馬の性格を3つに分けた性格分析論である。私が『競馬王(白夜書房)』で連載している「予想着順」というコーナーでは、オープン馬のタイプが書いてある(毎コミの携帯にも、「レースのポイント」にこのコーナーがある)。それによると彼は「C系」とある。C系とは、集中力で強い相手にも怯まず、集中状態では連続好走出来るタイプだ。したがって、集中状態にある今回は多少のストレスは我慢する可能性がある。

 また、C系は馬群に怯まないので内枠向き。勝った天皇賞・秋でも18頭立ての3番枠。今回のマイルCSでも18頭立ての4番枠と内枠だった。逆に08年の天皇賞・秋は外枠の16番枠で4着、マイルCSも16番枠で4着と凡走している。昨年と今年の差は、実はこの枠順が非常に大きい。馬群に怯まない分、逆にMでいう「量」というものが少なく、外々をぶん回すような競馬は合わないのだ。

 逆に同じ短縮で出ていて3番人気に支持されたキャプテントゥーレは非C系になる。あまり揉まれるのが好きではないので短縮も大きなプラスではない。また全2走とも2000m。バウンド短縮でもなかった。したがって、キャプテントゥーレは4着に終わったのだった。

お知らせ
 Mの法則の凄さをさらに体感するなら、毎週金曜日20時更新のコラム「馬券の天才かく語りき」を是非お読みください。現在、種牡馬ごとの分析、ならびに直近のレースでの検証など、週末の予想からすぐに使えるテーマを連載中です。
※「馬券の天才かく語りき」はnetkeibaプレミアサービスのコラムです。


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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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