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Mの基本概念 「時系列」

  • 2010年01月13日(水) 18時00分
 京都金杯マイルCSの解説で触れたマイネルファルケが2番人気で出てきた。それもそのはず、GIIIに前走同じ条件だった京都マイルのGIで2着に好走した馬が出てきたのだ。人気になるのは仕方ない。

 しかし、この連載を読んでいる読者なら、早速復習が出来たはずだ。「この馬は危ない」と。

 マイルCSが前々走逃げなかった後の所謂、「逃げられなかった逃げ馬」のショック。それでGI激走。普通、GI連対なら評価が上がるところだが、Mでは逆だ。GIという最高レベルで位置取りショックを決めて激走した後ではかなりのストレスがある。そこで私は14番人気のマイルCSでは3番手評価にした同馬だが、2番人気のストレスがある今回は5番手評価に落とした。結果はその通りの5着。

 この結果で、マイルCSの解説のとき、「仮に富士Sを逃げて好走していたら、マイルCSでは穴人気になって惨敗していただろう」という解説をした意味が分かったはずだ。好走により評価が下がり、凡走により評価が上がるときがある。これがMの面白さであり、論理的に穴を取れる構造そのものである。

 競馬は、馬の心身の記憶の連鎖として、このように前々走、前走、次走と数珠つなぎに結果を支配しているのだ。だからこそ、全く同じ条件で、強い相手に好走した同じ馬が、次走で弱い相手に凡走したりするのだ。この時系列こそがMの基本概念の1つでもある。

 もちろんこの凡走でマイルCSをフロックと思ってはいけない。GIという最高レベルでショックを掛けて激走した後のストレスを我慢して5着なら、よく走っている。充実した内容と評価して良いだろう。


 この間、連載がマイルCSの途中だったので、その後に話をすると約束しておいた、3連単の976倍を前日予想の1点目で当てたレース(携帯サイト)について解説しておこう。

 Mは、当たるときは900倍だろうがなんだろうが、1,2点目で当たりやすい。特に荒れるレースになればなるほど、論理的(M的)に荒れるという性質を持っている。先程のマイネルファルケの話でもそれは分かるだろうが、このレースのポイント解説を読んでいるうちに、その意味はさらにクリアに見えてくると思う。

 このレース(江坂特別12/27阪神10R)はまず、人気馬が軒並み危なかった。


来週に続く

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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