これまでの話は凡走馬が凡走によって
ストレスを消して好走するというパターンが多かった。
ただ、前走好走した馬がもう一度好走することは、好調馬だけに、例えば惨敗する馬が巻き返す可能性よりは遙かに高い。その好走馬がまた好走するパターンを掴まないと、Mの法則を完全にマスターしたとは言えない。
では、どのようなときに好走馬が
ストレスを我慢してもう一度好走するのだろうか?
考えられる主なパターンを列挙してみよう。
1.力が圧倒的に上のケース 力が圧倒的に上ならば、さすがに
ストレスがあっても負けない。例えば2日酔いのレスラーが一般人と喧嘩しても負けないのと同じだ。その為には、この例えのように圧倒的な力差がなければいけない。
しかし、力が細分化されクラス分けされているJRAにおいては、そのようなケースは少ない。だいたい、2クラス上の力が必要だからだ。しかもそのような馬は誰でも強いと分かるので1倍台など、圧倒的な人気になる。だからといって出遅れないとも限らないわけだし、相手の一般人と思われた群衆の中にニット帽を被った力士が潜んでいるかも知れないのだ(その可能性を否定できないのも競馬というものである)。
だから期待値は結局高くなく、馬券的には気にする必要のないケースだ。例えば
'05年神戸新聞杯のディープインパクトなどがこれに該当するだろう(単勝1.1倍なので10回に1回故障など何かしらのアクシデントが起きる可能性と、結局は天秤に掛けないといけないのだが)。
2.鮮度が高いケース 直近
ストレスに勝る生涯鮮度、ないし中期的鮮度があれば、そちらの方が勝るという構造。これはこれから
'09年菊花賞で説明する大切なパターンで、穴にも直結しやすいし、毎週のように頻繁に発生しているケースになる。
3.高度な集中状態にあるケース 集中力系ないし、馬が連続好走のリズム下に入っているケース。このリズムについては何れ詳細を書こう。例えば
'09年マイルCSのカンパニーなどはそのケースになる。
4.肉体的な疲れがないケース レース間隔を開けるなどして物理的な
ストレスから解放されているケース。この場合は精神的
ストレスは我慢出来る場合が多い。
5.ストレスに対抗する仕掛けがあるケース ショック療法など、精神的にフレッシュにさせる仕掛けがあるケース。これで
ストレスを相殺できる。また、前走よりその馬が好きな条件を走らせるのも有効だ。好きな条件だと前走より気分良く走れるので、
ストレスより気分の良さが勝ることも多い。もともと
ストレスがなぜ競走に支障を来すのかと言えば、馬が前走より走るのを辛く感じさせる要因になるからだ。その辛さを相殺してあげればよいのである。
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