スマートフォン版へ

菊花賞から見る好走パターン(1)

  • 2010年02月17日(水) 13時00分
 前回は前走好走馬がそのストレスを押さえて好走するパターンについて見てみた。

 このパターンをマスターすればMの幅が広がり、穴の精度も上がっていく。

 そこで、その具体例として以前から解説を書くと言って後回しになっていた菊花賞で分析してみよう(ちなみに先週行われたダイヤモンドSも菊花賞と全く同様のM構成をしていた。結果は予想で上位に取りあげた3頭が4着以内に入り、縦目で決まった。このようにこれから話す構造は、長距離重賞では特に起きやすい現象になる)。

 このレースで私が本命に選んだのが、7番人気フォゲッタブル。対抗が8番人気のスリーロールスだった。


 フォゲッタブルは前走重賞で7番人気3着と激走。スリーロールスも1000万条件を3番人気1着と好走。ともに前走好走馬だった。

 もちろんスリーロールスの場合は、M的な解説は極めて簡単だ。前走が1000万の弱いメンバーに完勝。相手が弱いのでそれほどストレスは残らないし、なんと言っても、条件戦からGI挑戦だから、生涯鮮度が抜群だ。

 Mでは「格上げ戦」や「格上挑戦」はプラス要素として評価されるので、基本事項として覚えておいて欲しい。

 生涯鮮度と中期的鮮度がともに高いわけだから、精神的には極めてフレッシュ。相手が変わるのもストレスからの解放を促す。

 ただ、それがマイナスショックだと危険な格上げ戦の馬となる。

 マイナスショックとは、前走より辛く感じる状況だ。例えば前走より苦手な条件や、スローで逃げた馬が昇級でハイペースになりそうなときなどである。この場合は、格上げのメンバー強化という物理的マイナス面の方が、メンバーチェンジの精神的鮮度を上回ってしまう。あくまでも、馬が気持ち良く走れるかどうかが、Mの評価基準だからだ。

お知らせ
 Mの法則の凄さをさらに体感するなら、毎週金曜日20時更新のコラム「馬券の天才かく語りき」を是非お読みください。現在、種牡馬ごとの分析、ならびに直近のレースでの検証など、週末の予想からすぐに使えるテーマを連載中です。
※「馬券の天才かく語りき」はnetkeibaプレミアサービスのコラムです。


今井雅宏氏新刊
今井雅宏が新刊を発売!
 今井雅宏の新刊『競馬王新書 ポケット版大穴血統辞典』が2009年9月19日(土)に発売されました。

 天才・今井雅宏が穴党のためだけに構築した血統辞典『ウマゲノム版種牡馬辞典』の最新刊でもあり、持ち運び可能なポケット版となっています。競馬場でパラパラと見ながら馬券の参考にできるのが最大の特徴。

 80頭分の父・母父の心身構造を、タイプ(M3タイプ)、走りやすいパターン(オプション)、好不調の波(リズム)、激走・凡走能力(指数)などでワンポイント解析します。

 もちろん、netkeibaプレミアコラム「馬券の天才かく語りき」も完全収録しています!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング