前回は前走好走馬がそのストレスを押さえて好走するパターンについて見てみた。
このパターンをマスターすればMの幅が広がり、穴の精度も上がっていく。
そこで、その具体例として以前から解説を書くと言って後回しになっていた菊花賞で分析してみよう(ちなみに先週行われたダイヤモンドSも菊花賞と全く同様のM構成をしていた。結果は予想で上位に取りあげた3頭が4着以内に入り、縦目で決まった。このようにこれから話す構造は、長距離重賞では特に起きやすい現象になる)。
このレースで私が本命に選んだのが、7番人気
フォゲッタブル。対抗が8番人気の
スリーロールスだった。
フォゲッタブルは前走重賞で7番人気3着と激走。スリーロールスも1000万条件を3番人気1着と好走。ともに前走好走馬だった。
もちろんスリーロールスの場合は、M的な解説は極めて簡単だ。前走が1000万の弱いメンバーに完勝。相手が弱いのでそれほどストレスは残らないし、なんと言っても、条件戦からGI挑戦だから、生涯鮮度が抜群だ。
Mでは「格上げ戦」や「格上挑戦」はプラス要素として評価されるので、基本事項として覚えておいて欲しい。
生涯鮮度と中期的鮮度がともに高いわけだから、精神的には極めてフレッシュ。相手が変わるのもストレスからの解放を促す。
ただ、それがマイナスショックだと危険な格上げ戦の馬となる。
マイナスショックとは、前走より辛く感じる状況だ。例えば前走より苦手な条件や、スローで逃げた馬が昇級でハイペースになりそうなときなどである。この場合は、格上げのメンバー強化という物理的マイナス面の方が、メンバーチェンジの精神的鮮度を上回ってしまう。あくまでも、馬が気持ち良く走れるかどうかが、Mの評価基準だからだ。
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