'09年アルゼンチン共和国杯、最後に2番人気の
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前走が京都の2400mを33.8秒という異常に速い上がりを駆使して追い込んで2着。これも危ない。距離延長で、しかも京都より坂のある東京の方がレース質がタフなのだ。タフさが増す分だけ、トウショウウェイヴ以上に、「追い込み馬の延長」という「逆ショック」の影響は強くなる。
さらには2走前を見て欲しい。2走前が準OP。つまり前走の京都大賞典が格上げ戦で鮮度が高かったのだ。今回は鮮度の高さで喜んで追い込んで激走した後なので、鮮度ではなく、ストレスだけが重くのし掛かる。そのために、結局惨敗に終わることになったのだ。
同馬の場合は、前走が別定GIIで57kg。それで2着なのに、今回がハンデGIIで1kg減の56kg。物理的には圧倒的に有利なはずだった。
それでも12着に凡走した。流れが向かなかったとはいえ、流れだけが理由なら、追い込み馬でも3〜6着を独占した競馬なのだ。普通は展開が理由だったのなら4着前後になるはずだ。何も惨敗する理由はない。この12着という惨敗の意味こそ、ストレスそのものなのである。4、5着ではなく12着という必要以上の惨敗は、能力や展開などが理由ではなく、走ることに嫌気が差してレースを投げ出してしまったことを端的に表しているわけだ。
このように、馬は「鮮度とストレス」、「前走との落差」の中で、大きく着順を変えてしまう生き物なのである。だからこそ、前走好走した馬を切って、今回のように万馬券を当てることが出来るわけだ。
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