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ダービー卿CTに見るストレスと位置取り

  • 2010年04月07日(水) 17時00分
 今週はダービー卿CTに、この連載でおなじみのマイネルファルケが出てきたので、復習がてら、分析してみよう。

 前走はOP特別の東風Sで1番人気に支持されて2着。今回はその東風Sでマイネルファルケに0.2秒差付けて完勝してたフィフスペトルが2番人気で出走していたりしたので、4番人気に人気を落としていた。それもそのはず、東風Sは今回と同じ中山マイル。全く同じ条件なのだ。しかも、前走はスローペースで前有利だった。それなのにフィフスペトルに差し切られているわけだから、人気が落ちるのは普通だろう。

 しかし、Mを知っている人間なら、180度違う見方が出来る。

 前走は東京新聞杯で逃げの位置取りを掛け、苦手な超高速の上がり勝負になったにも関わらず5番人気で4着に好走した後だ。そのストレスがある。したがって、私も1番人気のマイネルファルケより、休み明けで鮮度のあったフィフスペトルの方を東風Sの予想では評価したのだった。

 結果、東風Sでは、その前走のストレスにも関わらず逃げないで2着。今回は逃げれば位置取りショックが掛かるし、逃げなくても前走ほどのストレスはない。したがって、中山マイルという同一条件で、OP特別から重賞とレベルは上がるのだが、前走を下回る着順というのはちょっと考えられない。

 このように例え2着でもストレスが少ない場合があるのだ。

 逆にフィフスペトルは、前走を見れば誰でもが分かるように能力自体は高い。が、前走は前残りを強引に差して同一条件を1着。少し飽きがある。したがって、今回はマイネルファルケにフィフスペトルは先着できない。ということで、私はマイネルファルケを本命にして、4点目だったが馬連を当てることが出来た。ちなみに勝ったショウワモダンも、前走4角5番手から、今回は2番手と「前に行く位置取りショック」を仕掛けた為に好走出来たのである。

 このように、全く同じ条件でも、常に着順は入れ替わる。これが「能力だけでは着順は決まらない」、つまり「Mのストレスとショックなどの関係から着順が決まっている」という、端的な証明に他ならない。

 ちなみに1番人気のトライアンフマーチは前走1400mを先行して4着。今回は本来の差しに回ると表明していた。差しに回れば「差し馬の延長」という「逆位置取りショック」になってしまう。したがって4番手評価に落とした。また3番人気のファリダットも「追い込み馬の延長」という逆ショック。これは7番手に評価を落として予想した。

 今回もよくあるパターンの、逆ショックによる人気馬の凡走例となったが、追い込み馬の延長でも走る馬はもちろんいる。そのパターンについては何れかの機会に触れたいと思う。


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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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