先週まで、逃げ馬の精神的な特性を書いてきた。その中心的なテーマは、特に重賞などのトップクラスのレースにおいて、前走、逃げている馬は精神的に嫌がる可能性が高く、危ないということだった。
ところが先週の
フローラSで
アグネスワルツが逃げて4番人気で2着に粘った。
これはどういうことだろう?
実は私はこのレースは3連複を2点目で当てている。そこには、
アグネスワルツが「精神的な問題を抱えていない逃げ馬」だという認識があったからに他ならない。その根拠は3つだ。
1つめは休み明けであること。馬は前走との記憶の落差で走る。したがって、その記憶が遠い休み明けは、前走の位置取りを「連続性のあるショック」の類と考える必要はほとんどない(しかもMには、「休み明けは走る喜びを素直に表現できる逃げ、先行馬の方が有利」という理論もある)。
2つめは格上げ戦であるということ。前回、例に挙げた
オースミスパークと同じだ。競走ステージが変わるのだから、精神的には極めてフレッシュ。前走の精神的なわだかまりを考慮する必要はほとんどない。
3つめは400mの大幅延長であること。これはMでは「逃げ馬の延長」と呼んで、評価されている。距離が延びればペースが緩みやすい。したがって、前走より精神的に楽に逃げられるのだ。
以上のうち、1つめは9割方、2つめは8割方、3つめは5割方、前走逃げていたことを精神的に消す材料になりうるものであり、それが3つも揃っていたら、むしろ精神的なプラス材料の方が多い。
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