前回まで、前走逃げた馬は精神コントロールが難しいという話をしてきた。
特に前走逃げて同じような条件を好走した馬はストレスで動きが鈍る。それを抑えるには、休み明けなどのリフレッシュ、格上げなどの鮮度などが必要なのだった。
でも、そういうものがなくても、比較的好走しやすいタイプがいる。
それは、あまり物事を考えずに、気分よくラップを踏むタイプだ。もちろん、そういうタイプでもストレスの影響は出るが、比較的軽微で済む。
例えば、前走逃げて、また今回も逃げてGIを連対した経歴を2回も持つ希有の馬
ローレルゲレイロ。彼の場合は、他馬と関係なく、ほとんど自分の世界でひたすら逃げるタイプなので、相手との精神的な関係性が希薄になりやすい。
阪急杯を逃げて2着の後に、
高松宮記念を逃げて勝った'09年。このとき、
阪急杯は前半34.1秒-後半35.4秒という、1400mとしてはかなりのハイラップだった(もちろん今回が短縮ショッカーになっている点も見逃せないが。短縮ショッカーについては後の機会に書く)。そういう彼でさえ、前年の
高松宮記念は、同じように前走の
阪急杯を逃げて勝って2番人気に支持され、4着に負けていた。この2年の違いは、'08年の
阪急杯は34.7秒-34.6秒の平均ラップで逃げていた点だ。つまり他馬との折り合いの中、関係性の中で逃げて勝ったので、ストレスが'09年より強かったのだ。それと'08年は
阪急杯1着と勝ってしまったが、'09年は2着だった。こういうタイプでもストレスの影響は無論軽視できない。
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