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逃げられなかった逃げ馬(4)

  • 2010年05月05日(水) 18時00分
 前回まで、前走逃げた馬は精神コントロールが難しいという話をしてきた。

 特に前走逃げて同じような条件を好走した馬はストレスで動きが鈍る。それを抑えるには、休み明けなどのリフレッシュ、格上げなどの鮮度などが必要なのだった。

 でも、そういうものがなくても、比較的好走しやすいタイプがいる。

 それは、あまり物事を考えずに、気分よくラップを踏むタイプだ。もちろん、そういうタイプでもストレスの影響は出るが、比較的軽微で済む。

 例えば、前走逃げて、また今回も逃げてGIを連対した経歴を2回も持つ希有の馬ローレルゲレイロ。彼の場合は、他馬と関係なく、ほとんど自分の世界でひたすら逃げるタイプなので、相手との精神的な関係性が希薄になりやすい。

 阪急杯を逃げて2着の後に、高松宮記念を逃げて勝った'09年。このとき、阪急杯は前半34.1秒-後半35.4秒という、1400mとしてはかなりのハイラップだった(もちろん今回が短縮ショッカーになっている点も見逃せないが。短縮ショッカーについては後の機会に書く)。そういう彼でさえ、前年の高松宮記念は、同じように前走の阪急杯を逃げて勝って2番人気に支持され、4着に負けていた。この2年の違いは、'08年の阪急杯は34.7秒-34.6秒の平均ラップで逃げていた点だ。つまり他馬との折り合いの中、関係性の中で逃げて勝ったので、ストレスが'09年より強かったのだ。それと'08年は阪急杯1着と勝ってしまったが、'09年は2着だった。こういうタイプでもストレスの影響は無論軽視できない。


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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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