先週は前走逃げた馬について書いた。すると早速、前走逃げた馬が、日曜の京都で2連勝したので、そのパターンについて見てみよう。
まず、
矢車賞。このレースには、前走逃げていた
エリモクイーンという馬が出ていた。2走前は1200mを後方のまま惨敗。前走は600m延長で逃げに出るという、順ショックになる位置取りショックを掛け、4番人気で勝った馬だ。M的には、狙うなら延長で前に行く位置取りショックを仕掛けてきた前走の方だろう。今回は、逃げの位置取りショック激走後で、むしろ消すタイミングになる。
ただ私は本命に予想した。その理由は2つ。
1つめは、今回が格上げ戦だということ。以前話したステージの変更で、位置取りショック好走のストレスを相殺する鮮度がある。
2つめは、小回りの福島から、京都外回りになる点だ。逃げ馬は小回りの方が有利という考えもあるが、そんなことはない。精神的には、絡まれずに気分良く逃げられる可能性の高い外回りの方が逃げやすい。精神論はそこまでで、あとは純粋にどちらがそのとき逃げ切りやすい馬場状態になっているか、それだけのことだ。直線の長さはほとんど関係ない。
前走の福島は前後半ラップで、1.5秒前半の方が速かった。つまり、先週書いた「自分の世界」で逃げた後だ。今回も気分良く、自分の世界で逃げられるので、逃げ馬に最もマイナスになる他馬との関係性が存在しない。
あとは絡む馬がいないからといって、矯め逃げしないことだ。そうすると関係性が出てくる。離して気分良く平均ラップで逃げる方が良い。
ところが、レースはスローで矯めて逃げたのでかなり冷や冷やして見ていた。結果クビ差勝ち。馬単の50倍を辛くも当てたが、実に危なかった。離して逃げていたら、前のレースの
都大路S同様に圧勝していただろう。逃げ馬はスローの方がよいという考えも、M的には必ずしも正解ではないのだ。如何に他馬との関係性を断ち切って、気分良く逃げられるかの方が重要になる。そして、今回どんな逃げ方が良いかは、タイプとローテーションによって異なる。同馬の場合は、これまでS質[注 1]な競馬をしていたので、離した方が良かったのだ(タイプ的にはL要素[注 2]の血統なので矯めてもぎりぎり逃げ切れたが)。
また想定オッズより人気になって、単勝が5.1倍まで落ちてしまったのも計算外だった。オッズが落ちた主な理由は、まさにその前のレースの都大路Sにあったのである。
[注 1]S(闘争心)
M3タイプの一つで、闘争心を持つ馬を表す。他馬との関係性を絶ち、自分勝手に一本調子に走りきろうという性質。Sの由来は闘争を表す"Struggle(英)"の頭文字から。
[注 2]L(淡泊さ)
M3タイプの一つで、淡泊さを持つ馬を表す。自分のリズムで淡々と走ろうとするタイプの馬で、延長や少頭数、広いコース、外枠、弱い相手との競馬が有効的。Lの由来は軽さを表す"Light(英)"の頭文字から。
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