都大路Sでは5番人気の
シルポートが逃げ切ったのだった。その為に、逃げ有利の馬場ということで、次のレースの
矢車賞の
エリモクイーンも人気になってしまったのである(私が勝負レースで取りあげて本命にしたこともあるかもしれないが)。
さて、そのシルポートだが、前走の
マイラーズCも逃げていた。つまり、前走逃げていた逃げ馬だった。
逃げた馬がまた逃げるのに重要な要因として、この間、「自分の世界で逃げる馬」という話を書いた。そういうタイプは、前走逃げのストレスがそれほど影響しないのだった。同馬の場合も、他馬は関係なく、自分のペースで、ペースを落とさずに逃げた方がよいタイプだ。
したがって、2走前の
難波Sで逃げ切ったときは、私は勝負レースに選んで、本命にした。このときも、前走逃げていたのだ。本命にした理由に、この馬のタイプ以外にも、ステップの質があった。前走は中山の1600mで、今回は阪神外回りの1800m。延長で広いコースになる。逃げ馬が気持ち良く、自分の世界で逃げるには良いステップだ。
実は今回の都大路Sも、前走が1600mの多頭数で厳しい流れで、今回は延長1800mの外回りと、気持ち良く逃げられるショックが掛かっていた。ただ、同型の
ホクトスルタンがいたので、競り合って、自分の世界にならずに、関係性を結んでしまうのが怖くて、今回はあまり評価しなかった(あるいは逆にスローで引きつけて逃げてしまうのも怖かったが)。
しかし、レースはシルポートの得意な離した逃げ。しかも平均ペース。こういう自分の世界の逃げ馬は、変にペースを落として引きつけずに、平均ペースでの離した逃げというのが、世界に入り込めて一番合う。この形になれば、まず負けられないところだろう。
もちろん、前走逃げた馬は基本的には危ない。例えば今週の
日曜東京7Rの
シリコンフォレスト。前走は同一条件で逃げて2着接戦と好走。しかもこれまで7戦して、4着になったのが一回きりで、あとは全て3着以内という超安定馬。前走と同一条件では、崩れる要素はないということで、単勝2倍の断然人気に支持された。
しかし、これはあまりに危ない。まず前走が同一条件を逃げて接戦好走という点だ。今まで書いたように、接戦ではストレスが溜まってしまうし、世間一般ではプラスと考えられている同一条件の好走も、この場合は震えが来るほど危ない。今回は逃げ馬のナイーブな気持ちを支えるショックがない上に、飽きも加わるのだ。
挙げ句に、前走は1400mにしては遅い流れ。つまり自分の世界で逃げている馬でもないのだ。ただ、今回も他に逃げ馬がいないので、スローで離して逃げられたら、さすがに逃げ馬というのはもともと精神的には「揉まれない優位性」を持っているので、ストレスがあっても逃げ切れることはある。そこでこの断然人気を7番手評価にはしたが、結局ペースが1400mらしい普通の締まったペースになったので、9着に惨敗したのだった。
生まれて初めて崩れたわけだが、Mからすれば全く持って当たり前の話である。この断然人気馬が危ないので、私はわざわざ勝負レースにこのマイナーな7Rを選び、馬単35倍を1点目で当てることが出来たのだった。
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