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短縮ショック(3)

  • 2010年06月09日(水) 15時00分
 先週は4走前からの周到な短縮ショックについて書いた。

 このような形はもちろん毎週のように行われている。今週もいくつかそのような短縮が行われたが、先週の解説と似たパターンだった6/6(日)東京8Rを見てみよう。

 勝ったのは9番人気ブラッシュアップ。1800mから1300mへの500m短縮ショックだった。

 この馬の仕掛けは5走前から始まった。4走前は1400m。5走前の1900mからは今回と同じ500mの短縮ショックだった。

 このときの位置取りが3角5番手。ペースは前半34.8秒のハイペース。速い流れを前に行ったのだ。これは逆位置取りショックだ。前走1900mで3角9番手と追い込んで好走しているのに、前走より流れ激化の短縮で無理に前に付けるというのは、馬にはかなり心身に辛く感じる。したがって5着と着順を落としたのは仕方がない。これをして、「短縮適性がない」とするのは、早計である。

 ポイントは、ハイペースの流れでも前に行けたということだ。つまり、短い距離に対するスピードの対応力は充分あるということになる。

 続く3走前は同距離の1400m。重の高速馬場を差して3着に好走した。このぐらいの距離への適性を感じさせる内容であり、また差して3着ということも重要である。無理に急がせないで、ペースなりに差せると好走出来るタイプということを証明できたのだ。

 2走前は新潟1800m。400mの延長ショックになる。ここでは延長のペースダウンを利用して自然に前走より前に行く位置取りショック。これは馬の気持ちに逆らわない「順ショック」だ。ということで1着。

 前走は格上げ戦の同距離で10着に惨敗。

 15頭立ての15番枠で外々を回らせられたのが直接の敗因だが、距離変更付きの位置取りショックで勝った後だから、そのストレスで凡走するのは致し方ない。

 ポイントはむしろ、その位置取りだ。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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