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短縮ショック(4)

  • 2010年06月16日(水) 13時00分
 ※前回短縮ショック(3)からの続き

 前走の先行から、今度は3角7番手と差しに回っている。広くて直線が長いために単調な流れになりやすい新潟で、外々回っての差しで我慢するのは、相当のフラストレーションだ。前回のアンティフリーズの前走と、これは酷似している。1400mでも好位に行ける馬が1800mの単調な流れで、外々の後方を回るのだから、かなりの我慢である。

 その我慢のエネルギーがマグマのように蓄積されて迎えたのが、今回の1300mだ。

 高速馬場だった重の1400mで3着したようにスピードはある。また短縮の1400mで好位から競馬したように、S質な要素も充分ある。

 ならば、短縮の1300mで戸惑うリスクは少ない。

 また今回は外枠。これもアンティフリーズのときと同じだ。激流になって揉まれて流れに戸惑うというリスクは少ない。しかも広い東京だから余計にそのリスクは減る。

 したがって、私はこの馬の馬柱を見たときに、「おお! これを本命にしよう」と小躍りして喜んだのだった。

 が、よく見てみると気になる点が2つ出てきて、俄に私の表情は曇っていった。

 1つめはハイペースが確実そうなメンバーだった点。もし4走前のときのように、短縮なのに仕掛けて好位で競馬したら逆位置取りになって、馬は苦しがって凡走してしまう。

 逆にハイペースを馬の気のままに後ろよりで競馬させたら、前が自然に止まって、前走溜めたマグマと、3,4走前に使ったスピードを、短縮で溜まっている体力と同時に、後半に爆発できる。ハイペースなら外枠というのも、より有利になる。

 どちらの位置取りを取るのかは騎手次第だ。だが、それで前に行って凡走することを恐れる必要はない。

 何故なら彼は9番人気だからだ。人気との期待値で、逆位置取りを騎手が取ってしまう可能性に怯えているようでは勝負は出来ない(もちろん、人気馬なら、このリスクはかなり重いものになるが)。

 したがって、騎手の位置取り問題は少しは気になったが、それで彼を本命にしない決定的な理由にはならなかった。

 一番私を恐れさせた問題は馬体重だった。2走前に新潟への輸送でマイナス8kg。大幅な馬体減りだった。今回も東京への遠征。しかも3走前よりレース間隔も短い。またしても大幅馬体減りになる可能性が比較的高い。パワーレースを得意とするタイプに、大幅馬体減りは致命傷になる(馬体重に関してはまた他の機会で詳しく書くが、競馬では極めて重要な要素になる)。

 私はそのリスクを考慮して本命にステイドリームを取って、4点目の相手とした。

 そして当日の馬体重は、…増減なし。そこで私はゴーサインを出し、対抗の馬と同額の金額をブラッシュアップにも賭け勝負した。結果は1着。馬連40倍を当ててかなり儲けることが出来たのである。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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