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エピセアローム、ベルカント、ピオネロなどCBC賞、ラジオNIKKEI賞分析

  • 2014年07月02日(水) 18時00分


追い切りの時点でスピードを競い合っているのではないかと思うくらいの好時計が連発

 今週から、福島競馬場、中京競馬場が開幕し、本格的な夏競馬となります。開幕週に行われる重賞は、ラジオNIKKEI賞とCBC賞。CBC賞は中京芝1200mということで、スピード自慢が揃ったメンバー構成になりましたが、すでに追い切りの時点でスピードを競い合っているのではないかと思うくらいの好時計が連発。7月2日の栗東坂路で4F50秒を切った馬は3頭いましたが、すべてCBC賞に出走予定となっています。

 ラジオNIKKEI賞は2勝馬の抽選になるので、ここでは、CBC賞の出走予定馬を中心に、今朝の最終追い切りを含めた調教レポートをお届けしようと思います。

【CBC賞/エピセアローム】

 近走成績で1着になっているのが、6走前のオパールS。これが約7ヶ月ぶりのレースだったことを考えると、今回の休み明けは大した休みではないという考え方ができますし、久しぶりでも十分に走れるだろうという推測はできます。

 これに拍車をかけるような、最終追い切りの内容。最初の1Fが13.1秒だった時に「これは止まるかも」と思いましたが、その気配は全くなし。最後まで、一定のラップを刻んで、トータル4Fは49.8秒。なんと自己ベストを更新してしまいました。これだけ動けたのだから、という気はしますが、中間の追い切り本数が少ないだけに、この時計に飛びついてしまうのは、いかがなものかと思います。

エピセアローム(7月1日撮影)

この好時計に飛びついてしまうのはいかがなものかと思うエピセアローム(7月1日撮影)


【CBC賞/ベルカント】

 前走桜花賞後、早々と路線を切り替え、短距離にシフト。それを示すのが、中間の追い切り本数。6月初旬から、坂路で時計を出していますが、週を追うごとに徐々に速い時計をマーク。1週前追い切りで、4F49.0秒をマークしたので、これで、最終追い切りは軽めにしてくるかと思いました。

 ただ、最終追い切りもその勢いは止まりません。2F目、3F目に11秒台のラップを連続して刻んで、最後は1F12.5秒。よく踏ん張ったと評価したいところですが、スピードの抑制ができない印象もあるだけに、最後の直線に坂のある中京芝1200mへの適性はやや疑問を持ちたいところです。

ベルカント(7月1日撮影)

最後の直線に坂のある中京芝1200mへの適性はやや疑問を持ちたいベルカント(7月1日撮影)


【CBC賞/レオンビスティー】

 函館SSでは、1週前追い切りを栗東坂路、最終追い切りを函館Wで行い、手加減ない、速い時計を出して、レースに出走。結果的に12着の惨敗ですが、2012年に出走した時よりは、勝ち馬との着差を詰めているので、状態に関しては問題なかったと判断しています。

 そこから中1週。普通なら、追い切りを軽くして、それでも十分という仕上げでしょうが、この馬は別。なんと、7月2日の栗東坂路での一番時計をマーク。その数字は4F49.1秒で自己ベストを更新する結果となりました。上記2頭の50秒切りは、それぞれに気になるところがありますが、この馬の場合は掛け値なしに評価できます。

レオンビスティー(7月1日撮影)

49.1秒で自己ベストを更新した時計は掛け値なしに評価できるレオンビスティー(7月1日撮影)


【CBC賞/ルナフォンターナ】

 1000万下、1600万下、オープン特別と3連勝中。今回はレース間隔があいての出走となり、放牧に出ていた吉澤ステーブルWESTからの戻りは、6月18日でした。よって、この中間は追い切り本数が少なく、最終追い切りを加えて、なんとか標準量の本数になったというところ。

 ただ、2走前は追い切り本数が少なくても好走しているだけに、この点に関しては、さほど心配ないでしょう。気になるのは最終追い切りの内容。3連勝はすべて、併せ馬を行っていましたが、今回は単走。遅れようが、先着しようが、併せ馬があった方が良績を残していただけに、その点の評価が難しいところです。

ルナフォンターナ(7月1日撮影)

今回は単走だが、併せ馬の方が良績を残していただけにその点の評価が難しいルナフォンターナ(7月1日撮影)


【ラジオNIKKEI賞/ピオネロ】

 昨秋に百日草特別を勝った時は、3歳牡馬クラシック路線に乗ると思われていた素材。年明けの3歳重賞では、雪のため順延した共同通信杯などもあり、着順だけがこの馬の実力ではないと判断した方がよいでしょう。なにより、前走負けたステファノスは皐月賞5着馬。その馬とクビ差の競馬なら、やはり能力上位です。

 この中間は過去走に比べると、やや控えめな追い切り内容。1週前、最終追い切りともに単走になっています。ただ、最終追い切りでも、CW6F83.5秒と遅くない時計をマークしているので、大きく割り引く必要はないでしょう。むしろ、前走同様、併用調教で仕上げている点を評価したいところです。

ピオネロ(7月2日撮影)

前走同様、併用調教で仕上げている点を評価したいピオネロ(7月2日撮影)


◆次走要注意

・6/29 阪神1R 2歳未勝利【ベルラップ】(2人/1着)

 追い切りでは、併せ馬遅れと地味でしたが、レースでの勝負根性はさすが。一度、レースを経験したことで、内容も変わってきましたし、パワーのいる馬場に対応した点も評価できます。
 まだまだ良くなる余地がある馬だけに、一走ごとの成長に期待したいという意味でここに取り上げておきます。

[メモ登録用コメント] [芝1600m以上]坂路での追い切り本数多ければ勝ち負け

・6/29 阪神11R 宝塚記念【フェイムゲーム】(7人/6着)

 最終追い切り南Wに調教適性がない宝塚記念で、先行して見せ場をつくるレース内容。よくここまで走れたというのが、正直な印象です。
 関西圏への輸送もクリアしていますし、あとは舞台設定が揃えば、これから先の重賞でも十分に勝負できると思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]標準多め併用系統の仕上げなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・3歳未勝利【ベイシス

 6F標識を過ぎたところでのラップが速く「これは止まるな」と思っていると、一旦息を入れて、直線は再び鋭い伸び。いくら時計の出るDPとはいえ、6F75.8〜5F62.5〜4F49.9〜3F36.9〜1F11.3秒は優秀。この動きがレースでもできれば。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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