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ナヴィオン、ブリクスト、ヒルノマレットなど新潟2歳S分析

  • 2014年08月27日(水) 18時00分


今週新潟2歳Sとオープン特別から注目している馬を取り上げてみたいと思います

 私が担当する、トレセンニュースでもお伝えしていますが、ダービー馬ワンアンドオンリーを筆頭に、続々と春のGIレースで活躍した馬が栗東へ帰厩しています。例年だと、まだまだ残暑厳しい栗東ですが、今朝(27日)も調教開始前の時間帯は半袖では肌寒いくらいの気候。これなら、調整を進めていくにはちょうどよいかも知れません。

 画像はニュースで掲載することができなかったメイショウマンボ。昨年はローズSを使うために帰厩して、馬体が細い印象でしたが、今年はゆったりしたローテーションなので、体にも余裕があって、ちょうどよい感じではないでしょうか。

メイショウマンボ(8月26日撮影)

体にも余裕があってちょうどよい感じのメイショウマンボ(8月26日撮影)


 今週は札幌競馬場でキーンランドC、新潟競馬場で新潟2歳Sが行われます。古馬のオープン特別も3レースあり、頭数こそ落ち着きそうですが、なかなか面白いレースになりそうです。ここでは、新潟2歳Sとオープン特別から注目している馬を取り上げてみたいと思います。

【新潟2歳S/ナヴィオン】

 新馬戦の上がり3Fが32.7秒。圧巻の末脚で前を捕まえたレースぶりが、人気の要因でしょうが、個人的に危惧しているのは、ジョッキーが前走と同じ気持ちで騎乗できるかどうか。新馬ですから、あんな脚が使えることは分かっていない状況で、あの競馬ができたと思いますが、一度、あの脚を知ってしまうと、今度はどんな競馬をするのか。

 さて、状態に関してですが、最終追い切りの動きは「抜群」に良かったという表現でよいでしょう。ハイプレッシャーを追走する内容でしたが、持ったままの手応えで並びかけていき、あとは突き放す一方。時計は4F52.9〜3F38.9〜2F25.1〜1F12.6秒と特筆するほどではありませんが、水分をたっぷりと含んだ馬場をまっすぐに駆け上がる姿は印象的でした。

ナヴィオン(8月26日撮影)

水分をたっぷりと含んだ馬場をまっすぐに駆け上がる姿は印象的だったナヴィオン(8月26日撮影)


【新潟2歳S/ブリクスト】

 前走後、ノーザンFしがらきに放牧に出されて、栗東へ帰厩したのは、8月7日。その分、追い切り本数は多くありませんが、CWと坂路を併用して、きっちり時計を出しています。併用調教である点はデビュー戦と同じですし、仕上げ方として気になるところはありません。

 最終追い切り場所が坂路からCWに替わったというのが今回。ウルパラクアを追走する内容でしたが、3コーナーではすでに前に追いついて、直線入ってすぐには追い抜かしてしまう形。道中のペースが速かったにも関わらず、これだけ動けるということは能力が高い証拠。最後は流すような形で、時計は6F81.4〜5F67.2〜4F53.4〜3F39.7〜1F13.5秒。最後まで併せる形なら、もっと速い時計になったと思います。

ブリクスト(8月27日撮影)

道中のペースが速かったにも関わらず、これだけ動けるということは能力が高い証拠のブリクスト(8月27日撮影)


【新潟2歳S/ヒルノマレット】

 デビュー前の坂路での追い切りから終いの動きが目立っていた馬。良血馬の揃うデビュー戦でしたが、自分の競馬をしたら、結果が出たという感じのレースだったように思います。問題は時計の速い馬場になった時にどのくらい対応できるのかという点でしょう。

 前走後は栗東に在厩しての調整。8月中旬になってから時計を出し始めたという感じですが、常にラスト1Fが最速になるラップを踏むことができています。これは最終追い切りも同じ。開門直後の馬場だったとはいえ、折り合いを欠くことなく、ラスト1Fが最速ラップを踏めるというのは、直線長い新潟競馬場では重要な要素。やはり軽視できない1頭になりそうです。

【朱鷺S/オリービン】

 当初は関屋記念に出走を予定。しかし、関屋記念でクラレントが良馬場なら巻き返して勝ち負けできるはず。ならば、賞金加算を第一目標のオリービンにとって、最適なレースはどこだろうと検討した結果がこのレースでした。

 どうやら、このスライドが吉と出そう。というのも、ここ2週の坂路での動きが抜群。終い重点ではありますが、今朝27日の最終追い切りでも2F24.4秒の伸び。1Fは最速ラップの12.1秒。個人的にはマイルよりも1400mの適性が高いと思うので、ここは負けられないレースになりそうです。

オリービン(8月26日撮影)

終い重点ではありますがここ2週、坂路での動きが抜群なオリービン(8月26日撮影)


【BSN賞/ヴォーグトルネード】

 使うレースを左回りに絞ってから、本当に成績が安定。前走も追い込み不利な中京ダート1800mでしたが、楽に前を捕まえて、あとは突き放す一方。ちょっと手がつけられない存在になりつつあります。

 この中間もこれまでと同じく、CWと坂路を併用しての仕上げ。ここを勝つようなら、今年から中京ダート1800mで行われる、チャンピオンC(前ジャパンカップダート)に出走しても見劣りしないような気がするだけに、このレースでも追い込みに徹して勝つことができるかどうか、注目すべきレースとなりそうです。

◆次走要注意

・8/23 新潟 2歳未勝利【スクリーンショット】(5人/4着)

 福島芝1800mのデビュー戦では、追い切り本数が少ない状態ながら、メンバー中2位の上がりを使って8着。直線が長くなって、ゆったりと流れるレースになればと思っていましたが、その通りのレースぶりでした。
 追い切りがあまりにも数字的に悪いので、もう少しラスト1Fが伸びるようなラップを踏めると、すぐに勝ち上がることができるはずです

[メモ登録用コメント] [新潟東京芝中距離]最終追い切りがトラックでラスト1Fが最速なら勝ち負け

・8/24 小倉 3歳上500万下【バーンアウル】(9人/10着)

 8キロのプラス体重でしたが、中1週のローテーションを考えれば、決して太いわけではなく、調子が良いからこその体重増加だったというのが、私の見解。レースでは、全く見せ場がありませんでしたが、これは500万下に昇級したことが原因ではないでしょう。
 原因は馬場。未勝利時代にも、良馬場だと平凡なパフォーマンスしかできませんでしたから、もっと湿ったダートなら話は別。このクラスでも十分に通用するはず。

[メモ登録用コメント] [ダート重不良]最終追い切りが坂路でラスト1Fが最速になる加速ラップなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【パイオニアステップ

 最終追い切りには、松永幹夫調教師自らが騎乗。CWで3頭併せの真ん中で、直線では内からアウォーディーが迫ってくる展開でしたが、相手に並ばれることなく、きっちりと先着しました。全体時計は6F86.4秒と遅くなりましたが、ラスト1Fは11.9秒の伸び。
 師は「普通はゴールを過ぎると、馬が自分からペースダウンするんですが、前に他厩舎の馬がいたこともあって、全然止まらなくて、やる気満々でした」と苦笑い。好位で立ち回るレースができれば、他馬を置き去りにする瞬発力がありそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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