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レッツゴードンキ、コートシャルマン、スマートレイアーなど阪神JF、チャレンジC分析

  • 2014年12月10日(水) 18時00分


どの馬にもチャンスがあるというのが、個人的な見立ての阪神JF

 昨年の阪神JF。レッドリヴェールが勝ったことで、心に決めたのは「このレースに『松田博資』『角居勝彦』『須貝尚介』厩舎が出走すれば、この中から◎を打つ」ということ。なにせ2006年以降、阪神芝外回りで行われるようになった8回の阪神JFで7勝を挙げているのが、上記3厩舎。これらの厩舎が同レースに対して、調教適性が高いことは明らかです。

 ただ、今年は上記厩舎が不在。なおかつ、1勝馬が1/2の抽選で出走できるという、やや低調なメンバーレベル。どの馬にもチャンスがあるというのが、個人的な見立てですが、果たしてどうなのでしょうか。

【阪神JF/レッツゴードンキ】

 アルテミスSでは、初めての東京競馬場への輸送だけでなく、前日輸送や左回りなど、克服すべき課題の多い中、馬体を減らすことなく出走。後方からの末脚も目立ち、2着でもインパクトある内容だったと思います。

 そして今回も1週前追い切りで速い6F時計をCWでマークして、万全の仕上がり。最終追い切りに注目していましたが、思っていた以上の時計の遅い坂路4F追い切りとなりました。前走時は4F52.6秒だったのに対して、今回は4F56.8秒。馬具を変更して、折り合いがテーマだったようですが、ここまで時計の遅い内容では、本末転倒では、というのが個人的な意見です。

レッツゴードンキ(12月9日撮影)

折り合いがテーマだったようですが、ここまで時計の遅い内容では、本末転倒というのが個人的な意見のレッツゴードンキ(12月9日撮影)



【阪神JF/コートシャルマン】

 前走後は早々に阪神JFへの直行を決め、グリーンウッドでの調整。11月14日に栗東へ帰厩してからは、順調に調教を進めて、画像の1週前追い切り、CWでは川田将雅騎手が跨って、アムールブリエを追走した併せ馬できっちり先着しています。ちなみに、そのアムールブリエは先週の1000万下を完勝しています。

 最終追い切りは坂路。前走時が2F24.3秒と素晴らしく速い時計をマークしたので、さすがにその数字には及びませんでしたが、それなりに評価できる2F25.2秒をマーク。ここまでの追い切り本数も十分にこなしており、久しぶりだからといって割り引く必要はないでしょう。

コートシャルマン(12月3日撮影)

ここまでの追い切り本数も十分にこなしており、久しぶりだからといって割り引く必要はないコートシャルマン(12月3日撮影)



【阪神JF/オーミアリス】

 新馬、小倉2歳Sを連勝。それ以来となる実戦なので、休み明けという以外に、1600mの距離を克服する必要がある今回。まともに考えれば、重賞ウイナーとはいえ、割り引く材料しかないと思います。

 ただ、1週前追い切りを見ていると、フットワークが大きく、決してマイルに適性がないとは思えません。まだまだ粗削りですが、嵌まれば前走のような末脚が使えるのは納得。最終追い切りはラスト1Fが11.7秒の伸び。6F標識地点で、他厩舎の馬に絡まれるシーンがありながら、折り合いを欠くことがなかった点からも人気を下げるようなら、逆に狙ってみたい気もします。

オーミアリス(12月10日撮影)

人気を下げるようなら、逆に狙ってみたい気もするオーミアリス(12月10日撮影)



【チャレンジC/スマートレイアー】

 前走エリザベス女王杯は最高の状態だったと思いますが、外枠ということもあり、前に壁をつくることができず、なし崩しに脚を使って、いつも通りのレースができずに終わってしまいました。2200mという距離が長かった可能性も否めません。

 今回は1着実績のある阪神芝1800m。まして、ペースをつくる逃げ馬が存在するので、折り合いに苦労することはありません。最終追い切りでは、前走同様、ラスト1Fが最も速くなるラップを踏めており、状態に関しては引き続き好調。開催2週目ではありますが、先週のレース内容を見ていると、外差しも可能な馬場ですから、牡馬を外からまとめて差し切る。そんなシーンが目に浮かびます。

スマートレイアー(12月9日撮影)

前走同様、ラスト1Fが最も速くなるラップを踏めており引き続き好調なスマートレイアー(12月9日撮影)



【カペラS/ノーザンリバー】

 昨年の覇者。中1週での出走だった昨年とは違って、今年はJBCスプリントを5着に敗れて、中5週での参戦。この中間もいつも通り、日曜追い切りを重視しての仕上げ。12月7日に坂路4F51.2秒をマークしているように、仕上がりに関しては順調だということが分かります。

 最終追い切りも極端に時計を遅くすることはなく、4F56.7秒でラスト1Fが12.5秒。この数字は昨年の最終追い切りよりも少し速く、ラスト1Fが最速ラップという点は同じ。調教内容から昨年と比較して減点する箇所はひとつもありません。問題があるとすれば、昨年から2キロ増えた58キロという斤量でしょう。

◆次走要注意

・12/6 中京 3歳上500万下【ヤマニンバステト】(12人/6着)

 休み明けでも悪くない仕上がり。レースもスタートからスムーズに運んでいるように見えましたが、最後の直線は完全に壁。脚を余して負けています。
 しっかり追えれば、馬券圏内は確実だっただけに、もったいないレース。次走もトラックでラスト1F最速ラップなら勝ち負け。

[メモ登録用コメント] [芝1400m以下]最終追い切りトラックでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・12/7 中京 栄特別【ゲットアテープ】(1人/1着)

 長期休み明けの2走前が3着で、中3週の今回が見事に1着。馬に負担のないローテーションできっちり結果を出したあたり、この先の活躍が非常に楽しみ。
 前走もそうでしたが、多少窮屈でも内で脚をためる競馬がいいみたい。次走も内枠なら、昇級は関係ありません。

[メモ登録用コメント] [内枠]標準多め坂路なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【サウンドバーニング
 1週前追い切りでは、僚馬メイショウヒコザに少し見劣りましたが、相手が攻め駆けするタイプ。こちらも決して悪くありませんでした。
 今週はレースで騎乗予定の幸英明騎手が跨って、単走でしたが、重心の低いフットワークでラスト1F11.5秒。時計の出るDPとはいえ、きっちり伸びていましたし、非常に楽しみなデビュー戦となりそう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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