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リアルスティール、レーヴミストラル、キタサンブラックなど日本ダービー調教分析

  • 2015年05月27日(水) 18時00分


今週は「競馬の祭典、ダービー」ですから、後悔をすることのない印を打てるように頑張ります

 オークスは◎アンドリエッテで5着。これにより、出演する競馬予想TV! のGI部門での戦いが終わってしまいました。22日にトレセンで見た雰囲気と全く変わりない状態でレースに出走できただけに、3着以内はほぼもらったと思っていましたが…

 しかし、ゲート入りで「あ〜あ」と思う出来事。それがクルミナルのゲート嫌がり。尻っぱねするクルミナルに呼応するように、ゲートで煩い仕草を見せたアンドリエッテ。ゲート入り前とは全く違う様子を見せた瞬間に『終わった』と思いました。ジョッキーもレース後コメントにゲートで待たされたことを敗因として挙げていましたが、馬券を買っていたこちらだって、そう思います。

 プロなんだから、いろんなことを想定した上で予想、馬券を買うことがプロって言われてしまえばそれまでですし、そんなことで言い訳するなと言われたらその通り。しかし、もっと早く目隠しをするなど、なにか対策はなかったのかなあと思ってしまいます。今週は「競馬の祭典、ダービー」ですから、そんな後悔をすることのない印を打てるように頑張ります。

【日本ダービー/リアルスティール】

 1週前追い切りを終えた時点で、最終追い切りがこんな動きになるのでは。そんなイメージを持てるのがこの馬。皐月賞の1週前追い切りは最終追いのイメージが沸かない、良い動きではありませんでしたが、今回は1週前追い切りを見て、最終追い切りはきっと馬なりで併せた相手に先着するだろうと思っていました。

 結論から言えば、思った通りの動き。坂路馬場で福永祐一騎手が跨って、トニーポケットを追走しましたが、終始楽な手応え。馬なりで追い抜いて、最後は1F12.4秒。決して時計の出にくい馬場というわけではないので、3F目が13秒台だったことは少し不満ですが、ラスト1Fが最速になるラップを踏んでいるので、評価を下げるわけにはいかないでしょう。

リアルスティール(5月26日撮影)

リアルスティール(5月26日撮影)



【日本ダービー/レーヴミストラル】

 ここまで3連勝はすべてトラック単一調教。今回もそのパターンに変化なく、これは好走調教を持続しているという意味で評価できます。ただし、ダービーというレースに対する調教適性に坂路が必要不可欠だと考えている私にとっては、この時点で評価を下げざるえません。

 それを踏まえた上で、今回の最終追い切り。併せた相手にきっちりと先着する動きは評価できますが、気になるのは全体時計。アザレア賞、青葉賞ともに7Fから時計を出していたように、5F時計が67秒を切っています。しかし今回は5F70秒。レース間隔を考えれば、これで十分なのかも知れませんが、最終追い切り単体を見ても、私の評価としてはさほど高くありません。

レーヴミストラル(5月27日撮影)

レーヴミストラル(5月27日撮影)



【日本ダービー/キタサンブラック】

 5月10日に坂路で時計を出した時点では、最大の逆転候補と思ったくらい、日本ダービーに向けての調教適性がアップしたと思いました。しかし、その後は坂路で時計を出すことはなく、このまま坂路で時計を出すことがなければ、トラック単一調教での出走となりそう。そうなると、あまり高い評価ができない、というのはレーヴミストラルと同じです。

 この馬自身としては、最終追い切りの動きは文句ありません。併せ馬を外から先着しており、このあたりはいつも通り。少し5F時計が遅い点が気になる程度で、追い切り本数も多くこなしているだけに、あとは現状でどこまで。

キタサンブラック(5月27日撮影)

キタサンブラック(5月27日撮影)



【日本ダービー/サトノラーゼン】

 池江泰寿厩舎にしては、時計を出すのが遅いと思ったこの中間。過去に京都新聞杯を勝って、日本ダービー出走した同厩舎のトーセンホマレボシと比較しても、少し追い切り内容が軽いと思っていました。それだけに、最終追い切りをどのような形で行ってくるのか、かなり注目していました。

 半マイルしか追い切らなかったのは、最近の厩舎のトレンドなので問題なし。ただ、併せたオーシャンブルーを最後まで交わせなかった動きには不満を感じます。4F追い切りなので、時計も遅いですし、この内容だと、馬体に心配でもあるのかなと変な勘繰りをしてしまいたくなります。

サトノラーゼン(5月26日撮影)

サトノラーゼン(5月26日撮影)



【日本ダービー/ポルトドートウィユ】

 最終追い切りが坂路になったのは、萩S以降の5戦。その中で唯一、連対を外した若葉Sはスピナッチを追走して、一杯に追われながらも同入がやっと。そして、ラスト1Fが13.0秒要すという内容でした。

 今回は坂路馬場で武豊騎手が跨って、ラディウスを追走しましたが、最後まで追い抜くことができず。最後は僅かに遅れているようにも見えました。これだけを見ると、凡走調教と見てもよいのですが、問題はポルトの脚色。まだまだ余力ある状態だったので、今回のようなケースは初めてといってもよいでしょう。まとめると、凡走調教ではないが、きさらぎ賞2着や萩S2着の時のように併せ馬で先着はしていない、ということです。

ポルトドートウィユ(5月26日撮影)

ポルトドートウィユ(5月26日撮影)



◆次走要注意

・5/23 新潟 早苗賞【アクセラレート】(2人/2着)

 弱いところがあって、今回が3戦目。まだまだ隠しているギアがある馬だと思うので、この敗戦が実力だと思えません。レース後は順調なので、次の自己条件はあっさりだと思います。
 レースぶりを見ていると、どうやら良馬場で直線の長いコースがよさそう。それだけに、最終追い切りは坂路でラスト1F最速ラップが理想でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以上]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・5/24 東京 フリーウェイS【ボンジュールココロ】(9人/9着)

 馬券総合倶楽部で◎を打った馬。1600万下なら、このくらいが実力という見方もできるでしょうが、個人的には、もっと前で流れに乗るレースをしてくれると思っていました。結果的に上がり32.9秒の脚を使っているのですから、実力を発揮できていないという見方が正しいと思います。
 実績ある東京芝1400mでもう一度、標準多め併用での仕上げなら、今度は勝ち負けするはず。

[メモ登録用コメント] [東京芝1400m]標準多め併用なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【ショウナンラムジ】
 障害入りも検討されている馬が中1週で東京遠征。動きを見ていると、決して重苦しさがあるわけでもなく、むしろゆったり走れていて、速い時計が出ました。どうやら、平地での激走がありそうな予感。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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