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エンプレス杯

  • 2015年03月03日(火) 18時00分


◆牡馬とは対照的にやや谷間の時期という感じがある現在の牝馬陣

 現在の南関東では、牡馬こそサミットストーンやハッピースプリント、それに短距離路線でも先週のフジノウェーブ記念の上位馬や、敗れはしたものの人気になっていた馬など、ダートグレード戦線でも勝負になりそうな面々が充実してきているが、対照的に牝馬はやや谷間の時期という感じがある。

 今回出走しているアスカリーブルにしても、3年前に関東オークスを勝っているものの、4歳以降の勝ち星は昨年水沢に遠征したビューチフル・ドリーマーカップのみ。ほかにダートグレード実績がある馬では、カイカヨソウやレッドクラウディアがいるが、これらも地方限定の重賞で苦戦という近況。期待できそうなのは、昨年末の東京シンデレラマイルを圧勝したノットオーソリティが、明けて4歳になってどんな活躍をしてくれるか、というあたりだろうか。

 そんな状況ゆえ、今回勝負になるのは、ほぼ中央馬。ワイルドフラッパーは昨年のこのレースと、続くマリーンCをぶっちぎりで連勝したときは、ダートの女王確定かと思われた。ところがJBCレディスクラシックでサンビスタに女王の座をさらわれてしまった。とはいえ勝負付けが済んだというわけではなく、今回はそのサンビスタが不在となっただけに、負けられない一戦となる。

 そのワイルドフラッパーを負かす可能性があるとすれば、中央のダートで1000万条件、準オープンと連勝してきたアムールブリエ。昨年の関東オークスは差のある3着で、その後も1000万条件で勝ち切れないレースが続いたが、ここ2戦の連勝でひと皮もふた皮も剥けた感じのレースぶりがうかがえる。将来性も含めた実力的にはワイルドフラッパーと互角かそれ以上と見るが、昨年関東オークスで経験しているとはいえ、慣れない小回りの左回りで実力を発揮できずというケースも考えられる。

 明けて8歳になったアクティビューティは、TCK女王盃は5番人気ながらサンビスタの2着に好走。相変わらず堅実に走っている。とはいえ、少し前のメーデイア、そしてサンビスタ、ワイルドフラッパーなどの女王級を負かすまでには至らず、そのあたりが越えられないカベとなっている。

 ケイティバローズはダートで4勝。芝の準オープンで2着があるが、昨年のブリーダーズゴールドCで、かなり離された4着というレースを見ると、ここでは連下争いまで。

 地方勢は冒頭でも書いたとおり苦戦必至。タッチデュールは、12月のクイーン賞で、3着のブルーチッパーに半馬身差まで迫って、という惜しい4着があった。今回も中央4頭のうち2頭が凡走するなど展開に恵まれたときに3着の可能性まで。

 人気的には、おそらくワイルドフラッパーが軸で、相手はアムールブリエかアクティビューティか、ということになるだろうから、馬券をどう絞るかが悩ましい。

◎ワイルドフラッパー
◯アムールブリエ
▲アクティビューティ
△ケイティバローズ
△タッチデュール

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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