夢は凱旋門賞と語る石川ジョッキー。子供の頃から競馬が好きだったそうですが、ファンの目線とジョッキーの目線の両方を持つ彼ならではの視点で、競馬の見どころを教えていただきました!
(取材・文/大薮喬介)
レースにいくまでの過程を見てほしいです。
――9月に出ていただいた井上敏樹ジョッキーは、石川ジョッキーのことを「仲がいいからこそ、負けたくない」とライバル視していましたよ。
石川 仲はいいですね。もちろん、ライバルでもありますが、僕はそこまで意識していないです。お互いに力をつけていければいいなと思っています。
――普段はどんなお話をされているんですか? 競馬の話もします?
石川 競馬の話はたまにしますね。一緒にいる時間が長いので、テレビ番組の話もしますし、井上が僕の部屋に来たときはゲームをしたり、お互い話さずに、漫画を読んだりもします(笑)。
――ご両親の影響で小さな頃から競馬好きだったそうですが、当時は競馬新聞も読んだりしていたんですか?
石川 読んでいましたね。馬柱の中身はすべて把握していました(笑)。本当に競馬が大好きなんです。
――思い出のレースなどはありますか?
石川 競走馬でいえば、ディープインパクトです。レースは…ウオッカとダイワスカーレットの天皇賞(秋)ですね。ゴール前は本当にシビれました!
――当然、その頃は馬券を買えかったわけですが、競馬のどこを観て楽しんでいたんでしょうか?
石川 成績など表面上でわかることを、自分なりに考えて「どの馬が強いのか?」を検討して楽しんでいました。最初は両親のほうが競馬の知識があったんですが、中学校に上がる頃には完全に僕のほうが上でしたね(笑)。
――その頃は新聞の成績や過去の傾向なども頭に入っていたんでしょうね。今の自分の成績などは細かく把握していますか?
石川 え!? う〜ん、漠然となら…。
――では、自分検定をしてみましょうか。いいですか? 「先週(9月13日)までの1番人気の連対率は?」
石川 うわぁ、いきなりそこを出しますか。たぶん、最悪だと思いますよ…。4%? いや、10%くらいですか?
――そこまで低くはないです(笑)。ちなみにこれまで20回騎乗しています。勝率と連対率はほとんど同じですね。
石川 20%!
――残念! 答えは35%でした。ちなみに勝率は30%です。しかし、4%とは自分を過小評価しすぎじゃありませんか?
石川 あまり結果を出していないような気がするんですよね…。
――8月は3回騎乗して2勝していますし、言うほど悪いとは思いませんけどね。ただ、波はあるかもしれないです。月単位で見ると、勝率50%の時もあれば、まったく勝てない時もありますから。では、次にいきます! 「20回以上騎乗しているコースの中で、もっとも勝率がいいのは?」
石川 新潟かなぁ。今年の夏にたくさん勝たせていただきましたから。
――おっ、鋭いですね。新潟のどのコースでしょうか?
石川 ダ1200m?
――違います、それは5位ですね。1位は3勝しています。
石川 えっ、もしかして直線1000mですか!?
――正解! しかし、一発で当たりませんねぇ。
(※新潟芝1000m[3-1-2-14] 勝率15.0%)
石川 いやぁ、そこまで細かく自己分析できている人はいないですよ(苦笑)。
――次は一発で当ててくださいね。「斤量の中で、もっとも勝率がいいのは?」
石川 それはわかります、51キロ!
――残念!
石川 ええ〜!? じゃあ、52キロですか?
――それも違います。答えは50キロです。
石川 う〜ん、意外でした…。
――52キロは16勝で勝利数トップ、51キロは9勝で勝利数2位なので、イメージは間違っていないです。ただ勝率だと[3-1-4-8](18.8%)の50キロがトップでした。もうちょっと、簡単な問題にしましょうか。「牡馬と牝馬ではどっちが…」
石川 牝馬!!
――正解です! 質問の途中で即答でしたね(笑)。
(※牡馬が8勝、牝馬が25勝)
石川 これは自信がありました(笑)。勝った時に「また牝馬だな」とよく感じていたので。
――実際のデータとご自身の分析にずいぶん開きがありましたが、いかがでした?
石川 自分の得意条件や結果の出ていない条件を知ってしまうと、いい意味でも悪い意味でも意識しすぎて、よくないような気がするんですよね。だから、今くらいの知識でいいのかなと思います(苦笑)。
――ファン目線とジョッキー目線の両方で競馬を観てきた石川ジョッキーですが、競馬ファンがレースのどの部分を観ればもっと面白くなると思いますか?
石川 レースの中でというよりは、レースにいくまでの過程を観てほしいですね。たとえば、返し馬とか。
レースにいくまでの過程を観てほしいですね。たとえば、返し馬とか
――返し馬のどこを観ればいいんですか?
石川 ジョッキーによって返し馬の仕方が違うので、そこを観るだけでも面白いと思いますよ。もちろん、僕も自分なりの返し馬があります。
――石川ジョッキーの返し馬は、どんな返し馬なんですか?
石川 そこは企業秘密です(笑)。実際に競馬場に来て観てください!
【次回のキシュトーークU25は!?】
昨年に比べて、すでに倍の勝ち星を挙げている石川ジョッキー。次回は、今年飛躍した理由をお聞きしていきます。秘密はトレーニングにあり!?
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