今年デビューした荻野極ジョッキーの登場です! 単勝433.9倍の馬で初勝利。新人騎手の初勝利としては史上最高配当でした。所属はGI馬キタサンブラックを管理する清水久詞厩舎。これからの活躍を予感させる、荻野騎手の素顔に迫ります!
(取材・文/大薮喬介)
初めての長距離移動は興奮状態でした
――荻野騎手の戦績を見ると、同じ馬で好走していることが多いですよね。
荻野 一度乗っていますから、クセを掴みやすいというのもありますし、反省点というか、前回騎乗した改善点を生かせているのかなと思います。
――夏競馬が始まっていますが、デビューしてから上半期が終わりました。その上半期はいかがでしたか?
荻野 レースに乗れることはすごく面白いのですが、関係者やファンの方々など、さまざま人が関わって、初めて僕は騎乗できるので、1鞍1鞍を大切に乗るのはもちろんですが、責任感をより感じるようになりました。そのことを忘れずに下半期も頑張りたいですね。
――成績についてはいかがですか?
荻野 取りこぼしが多かったというのが、正直な感想ですね。今後はそういったもったいない競馬を少なくしていきたいです。同期の中では木幡が21勝と差をつけられているので、挽回するなら夏競馬だと思っています。他ジョッキーと違ったところを見せて、勝ち負けできる馬に少しでも多く騎乗させていただけるようにしたいです。
――デビュー戦を振り返っていただけますか?
(※3月5日阪神3R・3歳未勝利、スカイフェアリー、12着)
荻野 ただただ速かったです(苦笑)。風圧がすごくて、競馬学校で模擬レースに乗っていたとはいえ、元競走馬と現役の競走馬とではスピードの体感が違いました。それに頭数も多くて、戸惑ったのもあります。レース前はもっと前につけてと思っていたのですが、イメージしていたことができなくて、本当にアッという間に終わりました。やはり、先輩方も勝とうと思って騎乗しているので、なかなか自分の思っているレースをさせてもらえず、現実は甘くなかったですね。
――模擬レースと実際のレースはまったく違うんですね。
荻野 違いますね。デビューから何戦かした後に馬群の中に入るようになった時もシビアだと思いました。ちょっとズレただけで迷惑になりますし、危険なことになりかねないので、小さな動きでも気をつけて乗らないといけないと痛感させられました。
――デビュー戦は緊張されましたか?
荻野 前日はそうでもなかったのですが、当日は緊張しました。一番緊張したのは、ゲート裏です。スターターの方から声がかかって、「いよいよなのか」と思った瞬間ですね。ただ、やる気のほうが優っていたと思います。今思えばですけど、すごく燃えていたんですが、周りが見えていなかったですよね。やる気が空回りしました(苦笑)。
――レース後はどんな気持ちだったんですか?
荻野 単純に楽しかったです。ようやく騎手としての人生が始まったので、そういった意味でも、すごくうれしかったですね。
――そういえば、デビュー日が阪神で、その翌日は小倉で騎乗されていますよね。デビュー週にいきなり長距離移動はきつかったんじゃないですか?
荻野 小倉は行ったことがなかったので、どうしていいかわからなかったので、先輩についていきました。疲れてはいなかったので寝なかったですし、その日のレースはどうだったかとか、明日のレースのことを考えたりして、どちらかというと興奮状態でした(苦笑)。
明日のレースのことを考えたりして、どちらかというと興奮状態でした
【次回のキシュトーークU25は!?】
来週は初勝利までの苦悩や、新人騎手の初勝利としては史上最高配当となったレースのことなどをお聞きしていきます。乞うご期待!