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JBCこそ「真のチャンピオン」決定戦/JBCクラシック

  • 2015年11月04日(水) 18時00分


JBCは「競走の原点」


 5歳牡馬コパノリッキー(父ゴールドアリュール)が鮮やかな逃げ切り勝ちを決め、昨2014年に続きJBCクラシック「2連勝」となった。

 ダート界の頂点の1つJBCクラシック(2000m)は、他のビッグレースとは一線を画す歴史を続けている。その勝ち馬は、第1回以降、

レギュラーメンバー(父コマンダーインチーフ)…01年に【1-0-0-0】
アドマイヤドン(父ティンバーカントリー)…02年以降【3-0-0-0】
タイムパラドックス(父ブライアンズタイム)…04年以降【2-0-1-0】
ヴァーミリアン(父エルコンドルパサー)…07年以降【3-0-0-0】
スマートファルコン(父ゴールドアリュール)…10年以降【2-0-0-0】
ワンダーアキュート(父カリズマティック)…12年以降【1-1-1-0】
ホッコータルマエ(父キングカメハメハ)…13年以降【1-0-1-1】
コパノリッキー(父ゴールドアリュール)…14年以降【2-0-0-0】

 15年間の勝ち馬はなんと「8頭」に限定されている。そのほか、複数回2-3着した馬には、【0-2-0-1】のフリオーソ(父ブライアンズタイム)、【0-1-1-0】のトランセンド(父ワイルドラッシュ)、【0-1-1-0】のシビルウォー(父ウォーエンブレム)などがいる。

 これが、たとえば東京大賞典のように大井の2000mで行われることが決まっているなら、右回りの2000mでこそ全能力発揮が望める馬、あるいはコース巧者という明確な理由がつくが、JBCクラシックは大井、川崎、盛岡を中心にこれまで全国7つの競馬場で行われている。範をとったアメリカのBCシリーズと同様である。

 ダート界の、チャンピオンの中の「真のチャンピオン」が快走するレースだから、とすることができる。コースを選ぶことなく、競馬場によって異なるコーナーの違いなど平気、また遠征を苦にすることもなく、どこの競馬場でも能力を発揮することができるのがJBCクラシックの快走馬である。

 生産界にとくに重要な意味を持ち、競走の原点に帰るようなレースの成り立ちがJBCの大きな特徴とするとき、ゴールドアリュール(父サンデーサイレンス)産駒が実に「4勝」もしているのは、馬券作戦を超えた大きな指針にもつながるかもしれない。今回2連勝となったコパノリッキーの母の父ティンバーカントリーは、02年から3連勝もしたアドマイヤドンの父でもある。米BCクラシック馬の父系が日本のダート向きサイアーと連動するのは当然で、サンデーサイレンスは1989年のBCクラシック勝ち馬。また今年、公営の種牡馬ランキング(とくに2歳戦)で急上昇する種牡馬パイロ(父プルピット)の祖父は、1992年、第9回のBCクラシックの勝ち馬エーピーインディである。

ライバルを苦しめた“絶妙の逃げ切り”


 昨年は田辺騎手だったコパノリッキーは、今年は武豊騎手に替わりマークがきつくなるかと思えたが、予測されたより楽な単騎マイペース。締まって時計の速いコンディションを考えると、前後半の1000m「62秒7-61秒7」=2分04秒4は、コパノリッキーにとっては楽なペースだった。中盤まで楽に行けたため、後半は引きつけることなく「12秒4-12秒3-12秒1-11秒8…」。残り1ハロン地点まで少しずつ確実にピッチを上げ、追走のライバルの追い上げを苦しくする絶妙の逃げ切りだった。

 コパノリッキーの楽なマイペースを読み、早めに射程に入れようとしたクリソライト、ホッコータルマエ、さらにはハッピースプリントにとっては、逃げ馬のこういうペースアップはもっとも苦しい形であり、ペース変化の主導権までコパノリッキー(武豊)ににぎられていた。

 JBCが創設されたころは大井ではなかなか勝てず、「ユタカはこのコースは得意ではない」とされた武豊騎手(46)だが、これで大井でのJBCクラシック3勝目。JBCクラシックの通算成績【7-2-3-2】。3着以内率なんと.857である。

 上がり馬サウンドトゥルー(父フレンチデピュティ)は、JBCレディスクラシックで人気のサンビスタをホワイトフーガで完封して勝った大野騎手がさえていた。早めに脚を使わされたライバルを外から差して2着。展開に恵まれたというだけではない。このGIで通用した自信は大きい。

 人気のホッコータルマエは、仕上がりに不満はなかったが、休み明けのためか道中ちょっと行きたがったのが誤算。そこに武豊騎手(コパノリッキー)の変幻のペースが重なり、自分のリズムではなかった。まだ6歳。GI(JpnI)10勝の新記録に向けて、次のチャンピオンズCで巻き返してくるだろう。一方、ハッピースプリントは、勝負どころでサウンドトゥルーと同じような位置にいたが、追ってからがもう一歩。成長し充実期を迎えるはずの4歳にしては、期待ほど変わって来ないのが気になった。距離かもしれない。



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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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