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【阪神JF予想】けっこう走っている、距離延長組

  • 2020年12月08日(火) 12時00分

数字だけのデータに惑わされるな


 今回人気を分けそうな近親どうしのソダシとメイケイエール。今回は距離延長で初距離の1600mに挑むことになる後者に注目したい。

 距離延長は馬券を買う側としては不安になる要素である。実際、過去10年でいうと距離短縮組の複勝率が25.0%、同距離組が21.3%に対し、距離延長組は12.1%しかない。これだけを見ると「買えない」ということになってしまう。

 ただ、距離延長組は人気薄馬の比率が高い。夏のうちに1200mで収得賞金を得たような馬が「記念受験」的に出走してくることもあり、それがグループの成績を押し下げている。

 単勝オッズ20倍未満馬に限定してみると、距離延長組は[4-2-2-9]で複勝率47.1%。短縮組が[2-1-0-5]で37.5%、同距離組が[4-4-5-21]で38.2%なので、実は距離延長組のほうが高い。

 距離延長組のうち1600m以上の経験があった馬は[3-1-0-2](うち1頭は1800m経験があり、1600mは無し)、初距離だった馬は[1-1-2-7]なので距離経験はあったほうがいいが、昨年レシステンシアが初距離でも勝ったばかりだし、初距離・単勝20倍未満組もレシステンシアのおかげで回収率は単101%・複95%になっている。

 今回距離延長組は10頭。そのうち単勝20倍未満になる可能性がありそうなのはメイケイエールくらい。オパールムーンにもぎりぎり可能性がありそう。ともに1600mは初だが、本命党は前者、穴党は後者に注目する価値がありそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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