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【天皇賞・春予想】能力の絶対値と長距離適性の両方が問われるレース

  • 2022年04月29日(金) 18時00分

人気2頭が外枠になったがそれでも中心視せざるを得ない


 人気2頭が揃って外枠となったが、それでもこの2頭の優位は揺るがないのではないかと個人的には見ている。

 ディープボンドは昨年の天皇賞春で2着。昨年のこのレースは、能力の絶対値と長距離適性の両方が問われる競馬で、正直今年よりもメンバーは揃っていた。その一戦だけでなく有馬記念で2着しているところから、能力の高さも確認できている。枠は極端なところを引いたが、中心視せざるを得ないだろう。

 タイトルホルダーはその名の通り今回唯一のGI馬。長距離適性はディープボンドほどでないだろうが、このレースでは距離適性よりも能力・格のほうが大切だ。この馬が勝つためにはやはり展開が重要。逃げたいように逃げさせてもらえるか。うまくいけば菊花賞の再現もあるが、さすがにそこまで他馬の騎手も甘くないように思う。

 テーオーロイヤルは4連勝でダイヤモンドS制覇。連勝の勢いは怖いが、ダイヤモンドS勝ち馬がその年の天皇賞春に出走したケースでは、グレード制導入以降[0-1-2-24]。斤量の問題もあるし、個人的には厳しい見方をしている。ただ連勝に魅力を感じるファンがいることは理解できる。

 アイアンバローズは自分で競馬を作れるタイプで内枠。騎手も石橋脩騎手で、ビートブラックを思い出す1枠1番だ。枠を別にしても阪神大賞典の着差から魅力ある1頭。京都ならこの枠がさらに生きただろうが、阪神であっても脚質との組み合わせでこれを生かせるだろう。

 マカオンドールは万葉S勝ちから阪神大賞典4着。万葉S勝ち馬もアイポッパーを最後に天皇賞春で馬券に絡んだ馬がいない。馬券でこのあたりを攻めるならば、もっと極端なヒモ穴に行ったほうがいいかもしれない。

 ヒートオンビートは日経賞の着差から、ここでも十分馬券圏内を争う権利がある。上がりが速くなると特にチャンスがあるし、相手なりに走れる馬なので2、3着狙いに向いている。距離適性もおそらくある。母は桜花賞馬だがそのイメージにとらわれないほうがいい。

 シルヴァーソニックも相手なりに走れるタイプ。脚質を考えるともう少し内の枠が欲しかったが、最初のコーナーをうまく処理できれば上位食い込みのシナリオが見えてくる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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