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【桜花賞予想】無難な軸はリバティアイランドだが…

  • 2023年04月07日(金) 18時00分

馬券的な突破口はどの馬か


 能力的にはリバティアイランドを認めざるをえない桜花賞だ。新馬・アルテミスSと阪神JFは展開的に全く異なる色彩のレースだが、両方で好走している以上認めざるをえない。なにかあるとしたら内枠からコース取りに苦心した場合だろう。あるいは、上がりが速いにしてもかかるにしても極端すぎる展開になった場合。

 無難な軸は正直この馬だと思うが、人気になる以上この馬自身に期待値の高い馬券を生み出す力はないわけで、レースと馬券を別に考えてこの馬以外の突破口を探す必要もある。

 シンリョクカは危うく除外のところからフィールドに滑り込んだ。阪神JFが人気薄での好走だったので、今回が真価を問うレースになる。サトノダイヤモンド産駒はやや晩成傾向があるように見えるので、その点には期待できる。

 ドゥアイズは阪神JF3着のあとクイーンCで2着。どうにも勝ち運のない馬だが、戦略の引き出しが多い。上がりの速い競馬になると不利だが、前半が流れてくれれば今回も上位争いができるのではないだろうか。

 桜花賞への定番コースであったチューリップ賞は、GIIになってから少し存在感が後退している。もともとチューリップ賞組は惜敗馬のほうが本番で良い狙い目になってきたし、今年については前残り色の強い決着だったことで評価が難しい。この組は勝ってきたモズメイメイよりも、展開に恵まれなくてもハナ差まで伸びたコナコーストと、血統とキャリアの浅さが不気味なペリファーニアのほうを重視したい。

 ライトクオンタムは2戦2勝、ディープインパクト産駒をクラシックで買う最後に近い機会ということで人気になりそう。勝ってきたわけだしこの馬に責任はないのだが、シンザン記念はかなり低調なメンバーだったので、その点は意識しておかねばならない。人気になってしまいそうなので、個人的にはヒモで押さえる感じかなと思っている。

 ハーパーはルメール騎手が確保できるという幸運に恵まれた。前走が関東遠征でマイナス体重だったが、レース間隔はあるし問題はないだろう。2000mの新馬で下ろした馬なので、ここで来なくてもオークスで見直したい。

 ラヴェルは阪神JFで枠順・展開・まわった位置と全部逆風になって11着と大敗。アルテミスSではリバティアイランドを負かしているので上がり特化型の競馬になれば激走も……と思っていたのだが、17番枠を引いてしまった。半姉ナミュールと似てほしくないところが似てしまった感。ただ見限りたくはない素質の持ち主ではある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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