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リトルゲルダ、バーバラ、シャイニーホークなどアイビスSD分析

  • 2014年07月30日(水) 18時00分


アイビスSDでは最終追い切りを含めた現時点の状態をレポートしたいと思います

 先週は函館記念の予想を猛省して、中京記念のサダムパテックに◎を打つことができ、No.1予想もきっちり結果を出すことができました。客観的な調教データはもちろんですが、追い切り本数が少ないことに、どのような判断すべきか、相当悩みましたが「暑さ」もポイントになるこの季節、主観的な状態判断も重要視しようと思い、最終的には結果を残すことができました。

 その勢いで今週も、と思っていましたが、アイビスSDは客観的な調教データに該当して、狙える馬がいません。まだ、すべての馬の最終追い切りが終わっているわけではないので、最終的には該当馬がいるかも知れませんが、そのあたりについては、No.1予想での最終決断としたいと思います。ひとまず、現時点(30日)では、最終追い切りを含めた、中間の状態をレポートしたいと思います。また、小倉の日曜メインレース、佐世保Sからも1頭取り上げました。

【アイビスSD/リトルゲルダ】

 昨年同レースの3着ということに加えて、直線競馬は5戦して、パーフェクト複勝圏という安定感が人気を集める要素となりそうです。休み明けというファクターがどれだけ嫌われるかと思いましたが、netkeiba.comの予想オッズを見るかぎり、あまりマイナス要素にはなっていないのでしょうか。

 しかし、過去にこれだけ長い休養明けがないことはマイナスに考えるべき。実際、最終追い切りで併せ馬を行っているのは、その点の不安を陣営が抱えているからでしょう。ただ、併せた相手パドトロワとの反応の違いを見ると、どちらが休み明けか分からないくらい。追い出してからの伸びは素晴らしく、昨年のようなレースをするのであれば、フルゲートではない頭数もよいでしょう。

リトルゲルダ(7月29日撮影)

追い出してからの伸びは素晴らしかったリトルゲルダ(7月29日撮影)


【アイビスSD/バーバラ】

 韋駄天Sが出走取消になったので、今回が初めての直線競馬。レースぶりを見ていると、いかにもこの条件に向いている印象もありますが、個人的には追い切りの動きから、適性が高いとは思えません。

 最終追い切りも坂路で1F目が15.3秒。2F目以降の13秒台はよいとしても、とにかくテンが遅すぎます。前走時の最終追い切りでも1F目が15秒台のように、直線競馬に向くダッシュ力はないと思います。中1週は1戦1勝ですが、当時よりもラップの踏み方も悪く、あまり評価を上げる要素はありません。

バーバラ(7月29日撮影)

あまり評価を上げる要素がないバーバラ(7月29日撮影)


【アイビスSD/パドトロワ】

 2012年の同レース覇者。当時は函館競馬場で最終追い切りを行ってのレース。異質とも思える仕上げでしたが、それで結果が出たのだから、本馬にとっては適切だったのでしょう。今年は栗東坂路での追い切りとなりましたが、そもそも競走成績からも、2012年とは違います。

 リトルゲルダの併せ馬のパートナーを務めることになりましたが、完全に相手の目標にされる内容。相手にとっては思い通りの攻めだったと思いますが、こちらは追ってからの頭の高さも目立ち、強調するところはありません。

【アイビスSD/シャイニーホーク】

 直近の勝ち鞍が阪神芝1600mの六甲Sであるように、本来はマイル前後の距離で活躍していました。ところが、最近の不振から、思い切った距離短縮を選択。1週前追い切りはクラレントを相手に追走して、遅れはしたものの、4F51.2秒と速い時計をマークできており、これは直線競馬に適性の高い追い切りだったと思います。

 1週前追い切りの内容がハードだったこともあってか、最終追い切りは軽い内容。テンからセーブ気味で、4F53.7秒。かといって、終いもしっかりやったわけではなく、まずます標準程度の時計といったところ。1週前追い切りの段階では、個人的にかなり色気を持っていましたが、最終追い切りの内容では高い評価ができません。

シャイニーホーク(7月29日撮影)

最終追い切りの内容では高い評価はつけられないシャイニーホーク(7月29日撮影)


【佐世保S/マイネルエテルネル】

 降級して2戦、1600万下を勝ちあぐねていますが、昨年の北九州記念では0.4秒差の7着。なにより、2歳時には小倉2歳Sを制した舞台ですから、そろそろ勝ち上がらないといけないというのが正直なところです。

 問題の状態ですが、最終追い切りが坂路4F50.5秒。本馬にとっては、極端に速い時計というわけではありませんが、2F目と3F目に11秒台のラップを踏んでマークしたこの時計は価値があります。その分、ラスト1Fが失速してしまいましたが、開幕週の小倉芝1200mなら、このラップの踏み方でも押し切れるでしょう。

マイネルエテルネル(7月29日撮影)

2F目と3F目に11秒台のラップを踏んでマークしたこの時計は価値があるマイネルエテルネル(7月29日撮影)


◆次走要注意

・7/26 福島11R 白河特別【フルールシチー】(2人/6着)

 初めて福島競馬場までの長距離輸送となりましたが、馬体重が大きく減っていなかったように、体調に関しては申し分なかったように思います。
 レースでも、自分の競馬をすべく、ハナを切るような形の2番手でしたが、内の馬場が傷んでいたこと、ペースが少し速かったことで直線は失速。ただ、引き続き、西園正都厩舎の勝負調教に該当すれば、このクラスも卒業できるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]西園正都厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

・7/27 中京3R 3歳未勝利【メイショウホタル】(10人/5着)

 時計の掛かる馬場に適性があったとはいえ、直線半ばまで見せ場十分。タフな流れになれば、他馬が失速する分、持ち味を発揮できることが分かりました。
 もちろん高速馬場は不向きだと思いますが、自分の形で競馬ができれば良馬場でも大丈夫。やはり2000mくらいの距離が適性あるでしょう。

[メモ登録用コメント] [小倉芝2000m以上]最終追い切りがCW6F85秒以下の時計なら

◆今朝の追い切り特報

・3歳上500万下【メイショウゼロセン

 30日のCWでの追い切り相手はマルカファイン。相手も絶好調ならどんな相手にも負けないくらい走る馬ですが、その相手と互角の位置から追い比べて先着。時計は少し遅くなりましたが、追い比べで動けたことを評価。今週もしくは来週の出走予定とのことです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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