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あの人がいたから──影響を受けた人物を語る 【In the brain】

  • 2021年07月29日(木) 18時03分
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▲川田騎手が影響を受けた人物とのエピソードが明かされます (撮影:福井麻衣子)


今回は、テーマを設けて川田騎手の脳内を紐解いていく「In the brain」です。デビュー以来、“一つでも上の着順”にこだわり、依頼をもらえる騎手になることを心掛けてきた川田騎手。勝ち星も順調に伸ばし、自身のスタイルを確立しつつあった矢先…松田博資調教師から予想外の言葉を投げかけられます。

「お前が乗ると馬が壊れる」。深く突き刺さったそのひと言で、スタイルを一新。結果、今の立ち位置に至るために欠かせない出来事となりました。今回は松田先生をはじめ、川田騎手が影響を受けた人物について語ります。

(取材・構成=不破由妃子)

安藤勝己騎手と自分の違いはなんなのか


 デビューして数年の僕は、とにかく直線で追うことに命を懸けていました。馬に対しても、いきなり0から100までギアを上げさせるような、そんなゴーサインを出していたと思います。

 そういった考えを、大きく改める機会をくださったのが、松田博資先生です。それは、先生のこんな一言でした。

「うちの馬は、お前が乗るようには作っていない。お前が乗ると、馬が壊れる。近藤利一オーナーがお前を指名するから乗せているけど、それ以外の馬は乗せん」。

 ある年の忘年会の席でした。いきなりの言葉に面食らった僕は、先生の言葉を頭のなかで反芻し、その意味を数ヶ月必死に考えました。「厩舎の馬に乗せたくないと思うほど、俺のなにが馬が壊れる乗り方に繋がってるのか。松田厩舎はどんな馬の作りをして、先生はどんなことを競馬で求めているんだろう」。なにしろ直線で追うことがすべてだと思っていた頃ですからね。頭のなかでどんなに考えたところで、答えに辿り着けるはずもありません。

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▲当時は「直線で追うことがすべてだと思っていた」 (撮影:福井麻衣子)


 当時の松田博資厩舎の主戦は、安藤勝己さん。期待の大きい馬は、ほとんど安藤さんが乗っていました。そこで僕は、競馬学校時代にひたすら津村だけを観察したように、安藤さんの馬の動かし方を見て、自分との違いを探すことに没頭。すると、違いはすぐにわかりました。

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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